私と息子の推し活

さち

私と息子の推し活

 我が家の息子、3歳。彼には3歳にして好かれたいと切望する相手がいる。それは、実家に住んでいる猫である。息子の推し活の相手、それは人間ではない。猫である。

 我が家と実家は所謂スープの冷めない距離というやつだ。ゆえに、ほぼ毎日息子と実家に遊びに行く。そして、実家には猫がいる。

 生まれたときからほぼ毎日見ている猫。息子にとって猫は怖い存在ではない。そして、猫も生まれたての赤ん坊の頃から見ているせいか、息子に傷をつけることはない。多少雑に扱われても我慢している。今のところ猫のほうが大人の対応をしている。

 そんなこんなで猫と一緒に成長してきた息子。成長するにつれ、猫を撫でたい、猫を抱きたいという感情が芽生えてきたようで、よく抱き上げようとしたり、そばにきてもらおうとしたりと必死だ。そして、そんな息子が目をつけたのが猫のおやつ。猫ならば目の色を変えて食いつくというアレ。どこで覚えたのか、ドラッグストアに行ったとき、コンビニに行ったとき、そっと買い物かごの中に入れるようになった。

「ねこのおみやげ!」

そう言われると猫好きの母も弱い。仕方なく買ってあげると、息子は意気揚々と猫のおやつ片手に実家にいき、猫にあげている。猫も賢いもので、おやつをくれるとわかると途端にすり寄ってきたりする。今では座った息子の足の間に座ってすりすりしたりと仲睦まじい様子が見られることもある。

 そんな息子と猫の様子を私はむふふと眺めている。愛しい息子と可愛い猫のツーショット。なんて素晴らしい眺めだろう。そう、息子は猫に推し活しているが、私はそんな息子と猫が一緒に仲良くしている姿を見るために推し活している。私の推しは息子と猫だ。

 推し活、それは日々の生活に潤いと癒しを与えてくれる。そんな推しに愛情を注ぐ行為である。

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私と息子の推し活 さち @sachi31

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