推し活

ボケ猫

第1話 推し活



し活とはネット用語らしい。

『「お気に入りのタレントやキャラクターなどを応援する活動」という意味です。

「推し活」の「推し」とは、「アイドルや俳優などの芸能人やアニメや漫画のキャラクターなどの中で、自分が特に好きな人物のこと」です。

もともとは「人や物を薦めること、評価し応援したい対象として挙げること」という意味です』

とある。


なんだ・・つまりはヲタが気に入っているキャラということなのか。

今、頭に浮かんだのは沖田総司だが・・なんでだ?

別にすわけではない。


アイドルは生物だが、2次元キャラは触れることができない分、余計に感情移入するかもしれない。

これは怖いな。

あ!

そういえば、私の嫁さんだが、嵐の大ファンだった。

これは推し活だな。

コンサートチケットが当たった時には、家族のお金なんて関係なくドバッと使っていたぞ。

公演が始まる2~3時間前に会場に行ってグッズを購入。

これがまたお高い!

万札がバンバン飛んで行く。


推し活をするとお金が無くなるのかもしれない。

その分、私のお小遣いはない。

少ないのではない。

本当にない。

家庭に全収入を入れているにも関わらずだ。

これでは推し活ではなく、愚痴活か?


推し活で嵐に使うくらいなら、家族に使え!

チキンハートの私には、口が裂けても言えない。

言えば鬼嫁が待っている。

鬼〇隊の柱を呼ばなければいけなくなる。

これでは鬼活になってしまう。

そういえば、何かの事件で警察官が万引きをしたという記事を目にしたことがある。

その動機が、妻が小遣いをくれないからとか。

同じじゃないか!

ただ、その犯罪に走る一歩は踏み出せそうにないが。


何の話だったか?

私が誰を推すのか、だった。

余談が過ぎた。


リアル人物や歴史上の人物・・生きていた人たちだ。

みんな裏表あるだろう。

決して聖人君子ではない。

だが、諺にある。

水清ければ魚棲うおすまず。

どちらかに偏っても、人間はいけないのだろう。


あ!

いた!!

明恵上人みょうえしょうにん

この人は鎌倉時代の禅僧だが、どの伝記にも素晴らしい人物としか書かれていない。


仏教は元々妻帯はできない。

日本に入って来るとどうやら変わるらしい。

今の仏教は仏教ではないのだろう。

家族を持っている時点でアウトだ。


だがこの明恵上人、鋼鉄の意志で最後の最期まで貫いたらしい。

『明恵、夢を生きる』:河合隼雄著。

河合隼雄先生が明恵上人を分析。

明恵上人は夢日記をつけいて、それが現存している。

河合隼雄氏はその道の専門家だ。

その先生が丁寧に解説してくれている。


私もこの本を読んで夢日記をつけるようになった。

かれこれ5年は経過しただろうか。

それに先生の本はかなり読ませていただいた。

とても面白く、人生が豊かになったように思う。

ただ読むだけではなく、自分の言葉に変換して使わなければいけない。

それがなかなか難しいのだが、自分で楽しんでいる次第だ。

それはいい。


さて、その夢だが、人間の無意識からのメッセージという。

フロイトなどが有名だが、彼は性の抑圧に注目したようだ。

アドラーなどは権威に注目している。

河合隼雄氏はユング派に属している。

そのユングは無意識に注目した。

無意識は意識できない。

その無意識からのメッセージが夢などになって語りかけてくるという。


夢はその人の持っている言葉にならない感情や心理状態を教えてくれる。

それを利用して、その人と一緒に考えて行こうというのが、河合隼雄氏の扱っているものらしい。

基本、判断したり指示はしないという。

「待つ」

その人が自分で気づくまで、何年でも待つらしい。

ただ、専門的なアドバイスはするようだ。


さて、そんな先生だが、イメージを大事にする。

イメージの詰まったお話をたくさん調べる。

河合隼雄氏は世界に共通の昔話に注目。

日本にも素晴らしい昔話がたくさんある。

それは単にではなく、であり、イメージの宝庫だという。

いろんな解釈ができる。

物語を紹介したいが、長くなるので気になる方は河合隼雄氏の著書を読んで欲しい。

どれも面白い。

私は図書館などで毎月3冊くらい借りていた。

今はコロナで行っていないが。


そして、その先生は日本民族の根底にある神話を丁寧に解説してくれている。

神話はイメージの象徴の物語。

つまりは日本人とは何かに迫るようなものだ。

その今に残っているは解釈次第で現代でも通用する。

その方法を身につければ、人生が豊かになるだろうと私は思う次第である。

そして、自分なりの勝手な解釈をして利用したりしている。

あくまで独断と偏見です。


さて、明恵上人は自分をしっかりと保ったまま夢の世界を生きた素晴らしい人物だったそうだ。

権力にも屈せず、欲にも屈せず。

詳しくは読んでもらうと開眼するかもしれない。

その明恵上人、亡くなる時には死に夢を見たという。

これは嘘ではない。

心理学者ユングも同じような夢を見たとある。

深層心理に迫ると、不思議な体験があるようだ。

だが、それを期待してはいけない。

ただ自分の無意識からのメッセージと捉えて判断材料にしていく。

それを単純な表層の解釈や、おんぶにだっこではダメになる。

そういった人もいたようだが。

・・・

何の話だったか?

そう、推し活だ。

河合隼雄氏も推しだが、私はこの『明恵上人』を推してみたい。

そして、自分も密かにその領域を垣間見てみたいものである。


余談ながら、この明恵上人、亡くなった時にとても良い匂いが広がったという。


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