推し活に思う

出っぱなし

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 推し活とは、アイドルや俳優、アニメのキャラクターなど、自分が好きになった対象を応援する活動のこと、らしい。

 

 僕にはそこまで熱狂的な推しというものはない。

 熱狂的と言えることは、せいぜいワインぐらいだが、推し活とは言えないだろう。

 しかし、そんな僕にも自分の道を突き進むのに勇気をもらえる、アニメ化された漫画がある。


 『宇宙兄弟』だ。


 詳しい内容は読んでもらえれば分かるが、名言の宝庫であり、大好きな漫画の1つだ。


 さて、僕は拙作ワインエッセイ『神の血に溺れる』で様々な国地域を旅していることを書いている。

 今回の話は、本編ではまだ触れていないし、本筋とは関係がないので書くことは無いと思う。


 第二部第2章の舞台はアメリカ北西部・オレゴン州になる予定だ。

 そこのワイナリーでインターンをしたのだが、期間終了後に少し旅に出た。

 アメリカの南東部・フロリダ州オーランドへ飛んだ。


 そこには、NASAケネディ宇宙センターがある。

 ロケットの打ち上げがあり、観光もできる。

 宇宙兄弟の大事な場面であるシャトル打ち上げは、ここからだ。

 これもある意味、推し活のひとつの聖地巡礼だろう。

 

 僕は街外れのホテルに宿泊し、シャトルバスで向かった。

 途中で世界最大の某ネズミーリゾートに寄り、他の乗客たちをピックアップして向かっていった。

 こちらの推し活をする人たちの方が圧倒的多数だった。


 バスは何も無い湿原を走る。

 宇宙兄弟のとあるエピソードで、ワンコが行方不明になる事件が起きた。

 その時に、ワニが心配という話があったのだが、水辺にはワニが日向ぼっこしているのを見かけた。

 大自然には危険がいっぱいですね。(笑)


 ロケット広場ではいくつものロケットが展示され、博物館があり、アポロ時代のシャトルもあった。

 触られすぎてツルツルになった月の石、SF映画のような火星ローバー、ムービーを見たり、アトラクションも楽しんだ。


 宇宙兄弟の物語の始まりは、2025年、ほんの少し先の近未来だ。

 そこでは、戦争の話はない。

 ただ宇宙に魅せられた人々が、情熱とともに夢を掴もうとする物語だ。


 宇宙は未知の世界、危険も地球の中とは比べ物にならないだろう。

 一歩踏み出せば死の暗黒空間が広がっている。

 しかし、それでも人の持つ冒険心や探究心は留まることはないはずだ。


 宇宙は冒険心をくすぐり、くたびれたオッサンも少年に戻ったかのように無邪気に妄想を楽しめる。

 

 次の推し活の聖地巡礼は、月、宇宙へ行ってみたい。

 それには、人々がいがみ合い、足を引っ張り合っていては、いつまでも一部の特権階級しか行けないだろう。

 傷つけ合うことをやめ、その労力を狭い世界から広い宇宙へと向けてほしいものだ。


 宇宙旅行が誰でも気軽にできるようになる世界、それはどんな世界なのだろうか?

 

 僕は空想を膨らませ、宇宙そらを見上げる。

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