何となく分かっても、疑問は拭えないのです。

秋空 脱兎

ブログだってもうちょっと纏めるだろう、という話

「推し、活……?」


 推し活。

 読みは『おしかつ』、推し活動の略、なのだろうか。

 何となく最近SNSでちらほら見かけるようなワードだな、とは思っていた。

 どういう意味だろうと思ってはいたが、調べることも考えることも後回しにしていた。


「……もしかして、の事?」


 デスクトップパソコンの右隣を見る。

 そこには、物心つくかつかないかの頃から触れてきた特撮作品の関連商品が──光ったり鳴ったりするオモチャやソフトビニールで出来ているキャラクター人形、劇中で出てきた小道具の再現品等など──、こう、いい感じに飾られていた。


「合ってるかな……」


 よく分からんので、一先ず目の前の機械パソコンで『推し活とは』と検索し、調べてみる。

 何か最近はうっすい情報を薄く延ばしたサイトに引っ掛かる事が多くなった気がするし、ちゃんと調べられるといいのだけど……。


 そんな文言ぐちを考えるよりも早く、画面に検索結果が表示される。


「えっと……」


 画面をスクロールし、サイトをいくつか開き、中身を読んで、


「好きなモノを応援する、でいいのかな……」


 自分なりに解釈しようとするものの、自分を信用する事が出来ないために、合っているかどうかの感触すら掴めない。


「ていうか、そんなの子供の頃からだぞ……」


 長く親しんできた物事だ、今更新しく言葉を与える程の事でもないし。

 というのが、個人的な感想で。


「ああでも、言葉が欲しい人がいる……いた? のかな……」


 この言葉の源流がいつ生まれたのかまで知ることが出来れば、疑問というか、モヤモヤというかは解決するのだろうけど、そこまで調べる程の気力は出てこず。

 ここで中途半端にしなければいいのだろうけど、そんな体力もなく。


「まあ……上手く行かなくても、やる事は変わんないからね……」


 投げやりに言って無理矢理纏めようとしてもカッコつく事はなく。

 気を取り直すべく、怪獣の人形を撫でてみる事にした。

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何となく分かっても、疑問は拭えないのです。 秋空 脱兎 @ameh

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