岡田有希子推しの2人は、私の大切な人だった~18歳の若さでこの世を去ったユッコこと岡田有希子の謎に迫る!

北島 悠

岡田有希子推しの2人は、私の大切な人だった

 もうすぐ4月。あたたかな春が本格化してちょっとウキウキしてくるこの時期に、胸が締め付けられるようになる日があります。それが4月8日です。


 みなさん、4月8日って何の日かご存じですか?


 そう、伝説のアイドル、ユッコこと岡田有希子の命日です。


 1986年4月8日に18歳という若さでこの世を去った彼女は、とてもミステリアスな雰囲気をまとった異色のアイドルでした。


 当時、人気を2分していたのが松田聖子と中森明菜です。聖子はぶりっ子の申し子、明菜はツッパリの申し子。


 ユッコはそのどちらとも違った独自の地位を築いていました。アイドルとしては珍しい優等生キャラです。


 なにせ、芸能界入りを反対していた両親を説得するために、学内テストで学年1番の成績をとり、中部統一テストで学内5番以内に入り、更に志望高校に合格した事は有名な話です。


 さて、私自身はユッコ推しではありませんでした。


 でも、私の人生でとても大切な人、2人が共に熱烈なユッコ推しだったのです。これは単なる偶然とは思えません。


 まず一人目は大学時代の友人です。仮にTとしておきます。


 Tは、地方出身で右も左も分からなかった私を、テニスサークルに誘ってくれた人です。おかげで楽しい大学時代を過ごす事が出来ました。


 更に、彼は私の命の恩人でもあります。後述します。



 そしてもう一人は元カノ(?)。普通のセックスが出来ず、もう二度と女の人と交際する事は無理だろうと諦めかけていた私と付き合ってくれた人です。仮にY子とします。


 特にY子は女性ながらかなりのユッコ推しで、亡くなってから長期間過ぎているのに、毎年命日にはサンミュージックが入っていた四谷にある大木戸ビルに追悼に行っていました。だからユッコがなぜ死ななければならなかったのかの謎についてとても詳しかったのです。これも後述します。


 

 まずはTの話から。


 大学に入って最初に出来た友達がTでした。そのきっかけとなったのがユッコの死だったのです。


 偶然にも、4月8日は最初に大学でレクリエーションに出席し、みんなで自己紹介をし合った日でした。


 熱烈なユッコ推しだったTは、いち早くニュースで彼女の死を知っており、かなりショックを受けていました。


 自己紹介の時に、その話をした彼に興味を持った私は、早速彼に話しかけました。


「岡田有希子が亡くなったって本当?」

「うん。すっげーショック」

「そうなんだ。俺はキョンキョンのファンだけど、岡田有希子も結構好きだった。詳しく教えてよ」


 こんな感じでTと仲良くなりました。


 当時はインターネットはなく、岡田有希子の自殺の原因は俳優の峰岸徹に振られたからだと言われていました。私もTもその話を信じていたのです。


 Tは高校時代テニス部で、一緒にテニスサークルに入ろうと言ってきました。


 おかげで、大学時代は青春を謳歌する事が出来たのです。これがまず一つ目の恩。


 更に、私は20歳代の頃、恋愛至上主義に支配されていました。そんな中である女性に振られてしまいました。仮にМ子とします。


 М子に振られた事は、自殺を考える程の大失恋でした。なぜ自殺を考えたのかと言うと、もちろんかなり好きだったという事もありますが、М子はバツイチ子持ちで10歳以上年上、見た目も普通の人。少なくとも私は気が合うと思っていました。


 だから、決して高嶺の花に無謀な恋をした訳ではなかったのです。きっと上手くいくと思っていました。それなのに振られ方があんまりだったからです。


 なにせまだ告白すらしていなかった時に、もう2度と電話をしないで欲しいと言われたのです。


 この先ももしかしたら振られ続け、結婚も出来ないかもしれない。そんな風に短絡的に考え、自分が生きているに値しない人間なのだと思いつめてしまいました。


 次の地下鉄に飛び込もう、そう思って改札を通った瞬間です。

(ン……あいつ、T?)


 底抜けに明るく前向きなTと、こんな時に出会ったのは偶然とは思えません。彼のバカ話で大爆笑した私は、すっかり死ぬなんて事を考えなくなっていました。


 彼は私の命の恩人なのです。



 続いてY子。


 Y子とはインターネットを通じて知り合いました。


 私はこの頃、普通のセックスが出来なくなっていました。だからもう女性と交際するのは難しいと思っていたのです。そこで、自分の性癖と合う女性を、インターネットで探していました。


 そして、あるサイトでY子と意気投合しました。


 Y子とはメールで待ち合わせ、目印として黄色のトートバッグを頭上に挙げて分かるようにするとの事。


 待ち合わせ場所は地下鉄半蔵門線某駅前。いました。あんなに目立つバッグを上に上げてる。あの娘に間違いない。

「Y子さんですか?」

「〇〇(私のHNハンドルネーム)さん?」

「そうだけど」


 こうして私達はインターネットを通じて出会う事になりました。



 Y子とは2年ほど交際しましたが、普通の男女関係とは大きく異なっていました。肉体関係を結ぶ事なく、ひとりエッチの見せっこをするという関係です。


 詳しくはこちらをご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/16816927859833101050



 さて、Y子のもう一つの重要なキャラクターは、T以上に熱烈なユッコ推しだという事です。


 いつも、寝物語(?)としてユッコの話を聞かされました。


 Y子は私だけでなく、ユッコファンの人ともネットを通じて知り合っていたそうです。


 色々な情報が飛び交っていたとの事。


 かなり信ぴょう性が高い情報として、どうやら報道されていた峰岸徹説はガセネタらしいのです。


 真実はどうなのかについては様々な説があります。主なものをあげると……


 神田正輝説。最有力でした。


 話は変わりますが、娘さんの死の真相も知りたいですね。


 舘ひろし説


 石原裕次郎説等があります。


 Y子はどうしてもユッコの死の真相を知りたくて、必死で色々な情報集めにいそしんでいました。


 これこそ、何よりも尊い「推し活」ではないでしょうか。


 しかし、残念ながら私と交際中にはついに決定的な証拠は出て来ず、真相は闇の中でした。



◇◇◇◇◇◇



 読んでいただきありがとうございました。


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