帰宅

「ただいま」


 深夜。

 家に帰ると、リビングに明かりがついていた。

 中には父親がいた。


「おかえり。遅かったな」

「ちょっと・・友達と・・・」

「そうか」


 それ以上は聞いてこない父。

 聞かれても困るので、むしろ助かるのだが。


「なぁ」


 リビングを出ようとすると父親は目を見ながら話してくる。


「困ったことがあるなら、何でも話してくれ。頼りないかもしれないができるだけのことはする」


 父も、真剣な目をしている。


「いや・・大丈夫だよ」

「そうか・・・」

「ありがとう。もう寝るよ」


 2階に上がり、自分の部屋に入る。

 ベッドに横になり、布団をかぶる。



 また斬ってしまった。


 どうしてこんなことになってしまったんだろう。

 こんな戦い、いつまで続けなければならないんだ。





 あのメイドの・・・


 ニタァ


 と笑った顔が思い出していた。


 もしかしたら、俺たちはあの神にあやつられて、おもちゃにされているのかもしれない。



 涙が流れた。




 でも・・・家族だけは・・・父と母だけは巻き込みたくない。

 だから・・・戦い続けるしかないのだ。

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Weapon War (短編版) 三枝 優 @7487sakuya

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