6年生 コロッケサンド
2月1日。この日は都内各地の私立中学校の受験の日だ。
このクラスからも5人ほど受験生がいて、学校を休んでいる。
「今日は、遠藤、廣瀬、宮本、村松、山口が休みかー」
給食の時間、いつもより静かだと思ったら、いつも給食の時間に生き生きしてる5人がお休みだった。
先生もそのことに気づいたようで、名簿を見て少し苦笑いしている。
「今日の給食争奪戦は静かそうだねー」
「たしかに!5人も休みだから欲しい人全員お代わりできそうだね!」
今日のメニューは、コロッケサンド。
ふわふわのパンにサクサクの衣がついたコロッケが挟まっていて、甘辛いソースが美味しい、人気メニューのうちのひとつだ。
「ゆりちゃんの大好きなメニューだから、今日がコロッケサンドって知ったら嘆きそうだね」
「確かに…まぁ給食よりも受験の方が大事だからしょうがないよ!」
配膳が終わり、日直が前に出てくる。
「今日の給食は、コロッケパンとクリームスープとフレッシュサラダです。美味しい給食に感謝して、残さず食べましょう。手を合わせてください、いただきます」
「「いただきます!!」」
「やっぱコロッケサンド美味しいねー」
「うん、衣はサクサクだし、油っぽくないし、いくらでも食べられそう!」
「今日は食い意地の張った男子も少ないしおかわり争奪戦参加しようかな?」
「そしたら私も食べようかな!もう一つ食べれるかな?」
「コロッケサンド食べる人ー!!」
「「はーい!」」
前に出てきたのは全部で6人。
「じゃあジャンケンしよっか!」
「あ、私ひなちゃんさえよければ2人で半分こでいいよ!」
「私もみかちゃんと2人で1つでいいから、4人はひとつずつ食べていいよ!」
「お、本当か!ラッキー!」
「今日たっくんたちいないせいでスムーズだね笑」
「ちょっと静かすぎて寂しいけど笑」
みんながコロッケサンドをお代わりして、食べ始めたところで、突然教室のドアが開いた。
「コロッケサンドまだ残ってる!?!?」
「ゆりちゃん!!」
「コロッケサンドへの執念強っ!!」
「あー…たった今さっきお代わりの人たちに分配されたところ…」
ひなちゃんのその言葉に崩れ落ちるゆりちゃん…
「そんなぁ…コロッケサンドのためだけに受験のあとに急いで来たのに…」
「ゆりちゃん泣いてるの!?…あの、私もおかわりしたんだけど、ちょっとだけ食べる?もうだいぶ食べちゃったけど…」
「ひなちゃんー…グスッ…ありがとう…グスッ…欲しいー」
「じゃあ残った分全部あげるね!スープとサラダもよそってくるから、座って座って!」
次の日、学校に来たあかりんとたっくんが休んでた日にコロッケサンドが出たことを知って、悔しがり、その後に、コロッケサンドのためだけに学校に駆けつけたゆりちゃんの話を聞いて、爆笑したとかしてないとか…笑
☆☆☆
この話だけは半分くらいノンフィクションです笑
これが書きたいがために、1年生から5年生まで頑張って書きました!
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これにて"思い出は給食とともに"は、完結です。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
もう1作品のドラキュラ伯爵の方もよかったら読んでください…!
思い出は給食とともに 彩乃亜 @irodori_a
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