庭球二刀流 全英オープン決勝最終セットタイブレーク ラジオ
最時
第1話 庭球二刀流の誕生
「全英オープン最終セットはタイブレークとなりました。
今回優勝すれば全英三連覇の王者ジョエルに対するのは、日本人初優勝を目指す宮本。
あと、7ポイント先取した選手が優勝となります。
松山さん。
宮本はどうでしょうか」
「苦しいところですが、なんとかこのタイブレークを取って、日本人が全英で優勝するところを見せてもらいたいです。
あとこのタイブレークだけだ。
頑張ってくれ宮本選手!」
「まもなく休憩が終わります。
そして宮本。
小ラケットを取り出しました!
ここで二刀流です!!
会場もどよめいています」
松山さん。
ここでの二刀流どうでしょうか」
「・・・あり得ない」
「宮本は、たまにこの二刀流に挑戦しているのですが、未だワンゲームも取ったことはありません。
最近では、この全英オープンの初戦で二刀流でプレーしましたが、そのゲームは落としました」
「何を考えているんだ。
プライドなどがあるかも知れないが、ここは全日本人の期待を汲んで、一本でやってくれ!」
「休憩が終わり、両選手コートに入りました。
宮本は右手に通常のラケット。
左手に一回り小さなラケットを持っています。
二刀流です。
タイブレーク。
宮本からのサーブです。
おーっと、トスに失敗してラケットにボールが当たってしましました。
フォルトです。
ラケットを持ちながら、ボールを持ってのトスは難しいようですね。
「当たり前だ!
目を覚ましてくれ!!」
「宮本の二回目。
なんと!
トスしたボールが小ラケに当たり、ボールは宮本の後ろへ。
ダブルフォルトです。
会場に笑いと怒号が響いています」
「無理もない。
テニスへの冒涜だ」
0-1
「ジョエルも首を振り、あきれているようにみえます。
サーブはジョエルへと変わります。
長身のジョエルからの強烈なサーブ。
宮本、左の小ラケで返しました。
ジョエル、宮本を振ります。
食らいつく宮本。
宮本、前に出てボレー
決まった!
ダブルフォルトからブレイクしました!!
会場からは歓声よりも、驚きでどよめいています」
「凄い・・・」
1-1
「再びジョエルのサービス。
返しました。
小ラケでリターンエース!
連続ブレイクです!!
会場からは歓声が上がり、どよめきが収まりません」
「信じられない・・・」
「今大会でも最もサービスエースを決めているジョエルから、この最終セットのタイブレークでリターンエースを決めました。」
1-2
「そして問題の宮本のサーブ。
小ラケを地に置きました」
「それがいいでしょう」
「宮本が何をするか。
全員が固唾をのんで見守っています。
宮本のサーブ。
ジョエルには及びませんが速いサーブ。
サービスエース!
完璧なコースでした」
「これがサムライ宮本です」
1-3
「宮本、二本目のサーブ。
ジョエル、リターン。
宮本、小ラケを拾って間に合えませんでした。
ジョエル、リターンエースでブレイクです。
会場からもため息が聞こえました」
「はあ・・・」
2-3
4-3
「宮本、ジョエルのサーブを返すも、ブレイクには至りませんでした。
そして宮本のサーブ。
宮本、小ラケを咥えました!
素晴らしいサーブ。
アンドボレー。
取りました。
先ほどとは違う素早い動き。
宮本、進化しています!」
「行けるぞ」
4-4
「王者ジョエル、二刀流に対応できていません」
「当たり前だ」
4-5
4-6
「宮本はジョエルのサービスをブレイクして、ついに来ました宮本のチャンピオンシップポイントです。
ジョエルのサーブ。
ネット。
ジョエルを追い込みました。
ジョエル二回目のサーブ。
甘いコースです。
ダウンザライン!
決まりました!!
会場はかつてない大歓声に包まれています。
絶望的に思われていた二刀流で全英オープンを制しました。
やりました。
ついに日本人が全英オープンを制しました。
松山さん」
「・・・信じられません。
日本人が全英を制するシーンを観ることができるなんて・・・
すみません・・・
もう、言葉が出てきません。
・・・ありがとう宮本選手」
「宮本、ジョエル選手と握手をしてハグ、そして何かを話しています。
王者ジョエルも完敗といったところでしょうか。
そして宮本は小ラケを高々と上げました。
会場は再び大歓声に包まれています。
庭球二刀流 全英オープン決勝最終セットタイブレーク ラジオ 最時 @ryggdrasil
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