【KAC20221】ハッピーアニマルアイランドの仲間たち〜ペンギンくんの謎のと事件〜

朝霧 陽月

ペンギンくんの謎と事件

 ここは様々な動物たちが仲良く暮らす、ハッピーアニマルアイランド。

 そう!!みんなが仲良しなんで、当然争いなんて存在しない幸せな世界なのだけれど……。


「あ、ペンギンくんだー!!」

「また二本の剣を持ち歩いてるよー」

「二刀流だー、カッコいいねー!!」


 二本の剣を持ち歩く、二刀流のペンギンくんがいたのです。

 当然、目立つ彼はみんなの注目の的でした。


「でも何に使うんだろうー?」

「うーん、分かんないなぁ」

「きっとヒーローみたいに悪い奴を倒すんだよ!!」

「でもアニマルアイランドには、悪いやつなんていないよ?」

「確かに……」

「本当になんのための剣なんなだろうねー?」


毎日話題にはなるものの、その二刀流が一体なんのためのものなのかは、全然分かりませんでした。

何よりペンギンくんはクールで、あまり喋らないため、そのことを聞き出せるお友達もいなかったのです。


「気になるなぁー」

「ネー」



しかしついに、ペンギンくんの二刀流の正体が明らかになるときがやってきたのです。


それはハッピーアニマルアイランドにある、アイスクリーム山脈でとある事態が起きたからなのです。


「た、たいへんだぁー、アイスクリーム山脈でアイスクリーム雪崩がおきたぞー」

「えぇ、アイスクリーム雪崩!?」

「そのせいでアイスクリーム山脈の道が塞がってしまって、ゼリーの泉やケーキ渓谷にいけなくなってしまったんだ」

「そ、そんなぁ」

「それじゃあ、みんなおやつのゼリーやケーキが食べれなくなっちゃうよ〜」


みんながすっかり困っていたところ、なんとペンギンくんが颯爽と現れました。


「任せて欲しい……」

「ぺ、ペンギンくん!?」

「ついに、これを使うときがやってきたみたいだな……」


そういうとペンギンくんは、いつも持ち歩いていた二本の剣を抜きました。


「そ、それは!?」

「アイススプーンとケーキナイフだ!!」


そう、みんなが剣だと思っていたそれの正体は、大きなアイススプーンとケーキナイフだったのです。


そうしてペンギンくんは、アイスクリーム雪崩を解決すると、仕事は終わったとばかりに格好よく去っていきました。


「剣じゃなかったんだね……」

「アイススプーンとケーキナイフだったね……」


「「でも、とってもかっこよかった!!」」


こうしてハッピーアニマルアイランドの小さな謎と、ささやかな事件は解決され、ランドは平和を取り戻しましたとさ。


おしまい

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