夢オチが過ぎる

るるあ

二刀流で無双な夢…夢?

 夢にも色々あるけど、今回は「あ、これ夢だわ」って解るやつだった。


 厨二病をこじらせてオリジナル小説を構想し(書くまでいけない残念クオリティ)、設定だけモリモリ考えては友達に手紙交換(もちろん授業中だぜ)で、なんか恥ずかしいキャラクター名、つけあってたなあ。


 現在そのイチオシキャラで、某ゲームのごとく、なんちゃら無双中です。謎モンスター相手に。

 二刀流~最高!!


 主人公風味な金髪、若干あざとく感じる、かわいい系イケメンに仕上がっております。

 剣はあれだ、それぞれ炎と氷で魔剣!喋るやつ!!

 人格(剣格?)はもちろん、おじいちゃん希望!一人称は「ワシ」でお願いします!

 もう一本は解放まで、なんか条件とかあるやつ!妄想友達と意見が別れ(おねえさまかギャルかのじゃロリか…)まだ考え中!


【カ……そなた…の……は、まだ……、】



 ん?なんか双剣ちゃんが言ってるけど聞こえんな??

 まあよい。これはあれをぶっ放すしかないやつだ!これぞ二刀流!!起こせ水蒸気爆発!技名忘れた!!!


【……だ!!………う…ろの痣…!…】 



 その後、オレは白い光と共に吹っ飛んだ。




 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




 エレベーターに乗った時のあの、独特の浮遊感。そして落下…落下?

 ばふん、と仰向けのまま、着地。

「ぐっぉ…かはっ…」

 がぁ…ヤバい感じで背中痛い…




 ……ん?明るい?朝か?


 目をあけたら何故か清々しい野外の空気。

 おやおや素敵な木漏れ日。いい天気。

 そしてこれは…屋根だけテント???


 えっ、ナニコレ?ソロキャン?


 うん?昨日は会社に泊まらず家で寝たよな?

 えーと…

 コロナのせいで全滅なやつらに代わって、七連勤の月末処理、きつかったな…。

 ちゃんとやっつけて、祝杯だ!と、帰りにコンビニでほ○よいの甘いヤツとつまみの柿の種チョコ買って

 久々の風呂(きたねえなおれ)一時間入って程よくふやけて

 ベッド最高の歌(作詞作曲オレ)をうたいながら布団で平泳ぎして…

 で、双剣無双な夢見て〜、


 …で?



「カム!!気がついた?」


「…へぃ?」


 仰向けのまま動けずにいたら

 視界いっぱいに金髪イケメンが現れたでござる。




 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 これ、あれか、異世界なんちゃらってやつか?多分。なんちゃら〜ら〜。

 謎の森。現れた金髪イケメン。しかもゲーム的革鎧?胸当て?装備。イケメン。

 そして若返るオレ。金髪なオレ。腰に剣2つさげてるオレ。σ(゚∀゚ )オレ?


 それはもう大混乱中です。



 あの後盛大にビビって、声なき声で叫んだら金髪イケメンに抱っこ&よしよしされた。


「ん…背中?解った。」


 そう言ってオレの背中を、謎の温かい手で撫でてくる。


(なんだこれちょっと気持ちいいのがなんかやだボーイズなんちゃらは無理無理むり)


 色々怖くなってえぐえぐ泣いてたら今度は、

 銀色長髪を武士みたいに結った、合気道師範風イケメンが現れた。


「やめろブラコンもうそういう歳じゃねーだろ正直キモいんだよやめろ」


「…カムは背中を打ったんだ。これは治療行為だ」


「は?…あっテメェ、躁術はやめとけよ!あのな、自然治癒じゃないと魂魄が混ざるだろ?しかもそこ例のあざ部分じゃねーかバカ!!」


 金髪イケメンを、オレからベリッと剥がしてくれた。

 た、助かった…のか?


「ところで…中のお前、誰だ?」


 鋭い目つきでオレを見る合気道師範イケメン。


「どんな中身でも、カムはカムだ。」


 オレを再び抱きこむ金髪イケメン。


 睨み合うイケメンたち。


 

 ぐぁー今度はなんだよぐるぐるする…なんだこれ…威圧スキルとかなんかそういう…??

 イケメンたちの間でオレは、耳鳴りがするような、身体が押し潰される用な圧を感じて、ブラックアウトした


【……ワシを呼ばぬから…】



 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「知らない天井だ…」

とりあえず言ってみた。


 オレが再び目を覚ましたら、そこは森ではなく、病院のような?道場のような?木造の広い部屋の、ベッドの上だった。

 イケメン二人は俺の横で、炎と氷の剣を前に土下座していた。


 なんかイケメンたちの髪やら服が焦げたり凍ったりしてるけど大丈夫なんだろうか…?


【……お、カイム、気がついたかの?】


 剣が喋るやつ……なんか見に覚えがありすぎて痒くなってきた。

 ああそうねあのキャラカイムって名前付けてもらったんだったねーほーへーソウデスカ…


「カム…顔真っ赤だよ…!!熱!熱が出たか!?」


 でたよ視界いっぱい金髪イケメン。

 移動速度半端ないなおい。


「いや、熱とかじゃないです大丈夫です…」

 オレのかんがえたさいきょうのせってい、で赤くなっているだけですそっとしておいてお願い…



【ほう、今回の混濁はかなり長いと見た。お主、異世界から憑依ってとこじゃな?】


 剣って瞬間移動できるんだな!オレの前にきた…そしてネタバレ発言ありがとうございます。


「えっ、赤い剣さん…(でいいのかな)あの、オレ、この状態は何なのか、解りますか?」


〘うそ、赤い剣さんかウケるんですけど!じぃじが憑依って言ったらそうなんだってばよ!そのうち帰れるんじゃない?〙


「(青い氷の剣はギャルとナ○トが採用されてる…)えっ、帰れるの?!」


「はーい!とりあえず落ち着いてください!!」

 パン!っと軽快に手を打って、ギリシャ神話に出てくる女神像のような服を着た女性(まじ聖女って感じの人だ…)が現れた。


「カムくん、でいいのかな?私の事も分からないやつかな?」


「はい、すみません。(なんとなくこんなキャラ作った気はする…ううっ、あやつの好みのせいで、たわわがたわわで母性を主張しておる)」


「大丈夫よ。私はカート。こういうことよくあるのよカムくんには。体質みたいなものね。だからよく倒れるんだけど…」


 気にしすぎるのは良くないからね、と慰めてくれるカートさんまじ天使!

 



 どうやら、生まれつきカイムの背中にある痣が憑依?トリップ?の鍵になるらしくて、いつもここを治療すると何か起きてるらしい。

 なんだ?イタコってやつなのか?


「あー、じゃあまず、治癒魔法から試してみるか。」

 ひっそりと復活してた合気道師範イケメンが治療してくれるらしい。


「よろしくお願いします」




 合気道師範イケメンはリュウジ、金髪イケメンはアル(アリューム)だそうです。

 アルさん…アルは、オレの兄だそうで、よくぶっ倒れるらしいオレを過保護な感じで面倒見ているらしい。

 婚約者のカートさん(なんだよかったビーでエルじゃなかった)と共に、親代わりのつもりでいるらしい。両親、モンスター退治で他界してた。


 自分で考えた設定を覚えてないってオレ大丈夫?黒歴史だから心の中でお焚き上げしたのかな?

 それとも、似ているパラレルワールド…?


 まあいいか。もう、ここでこれからなんとかするしかないんだから。


はぁ〜…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夢オチが過ぎる るるあ @ayan7944

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ