私たちの世界は二刀流
春秋 頼
第1話 この世界は二刀流
私の心は今、空を自由に舞う浮遊物のように、風任せに漂っている。
これは心の解放なのか? それとも他の何かかも分からないが、気持ち的には楽だ。
しかし、突風が吹けば、何故か立ち向かいたくなる。そのまま舞えばいいものを
立ち向かう意味も解らず、立ち向かおうとする。
行きつく先は何処なのかは、誰にも分からない。ただ気分は悪くない。
今、貴方の心に愛があるなら、誰が想い浮かぶだろう。
そしてその愛は、貴方の想い描く世界へと導いてくれるだろうか。
もし、貴方の愛が満たされるなら、一瞬ではあるが、その愛は世界を満たすだろう。
私は貴方を知らないが、貴方の愛が深まり行き、美味しい果実をつけて
貴方と貴方を想ってくれる人と二人で、その美味しい果実を分け合って食べて、
その恋と言う名の果実を二人で味わってほしい。
その時、二人で手を繋ぎ、青空なら気持ちよく二人で、晴天の元で風を感じる。
それが夜空なら点在する星を見ながら、二人の手は寒さのせいでは無く
自然と強く握り合うだろう。
どんなにお互いが愛し合っても、二人は二人だ。それは二刀流のように。
だが、二人でも心はひとつになれる。お互いを想う気持ちはひとつだ。
何度も恋をしても、愛という気持ちがひとつだから二人は二人でいる事ができる。
貴方を誰よりも想ってくれる人が、傍にいるだけで、幸せを感じる事が出来るだけで
笑顔になれるだろう。普通の話をして、お互いが笑いあっても、その笑顔が見たいた
ために、一秒でも長く笑おうと、貴方を想ってくれる人に、出会えるよう私は祈る。
若気の至りで、つまらない事で別れた彼女たちが、幸せになってくれているなら
私の心は安らぎを得ることができる。たった一瞬でもいいからその心が幸せで
満ち溢れているか知ることができたら、安心できる。でもそれはできないから
私は祈ることだけしか出来ない。
もしも、君が悲しくて泣いているのなら、その全ての悲しみを消してあげたい。
そして雲一つない空のような、気持ちにしてあげたい。してあげたいことばかりだ。
たまに、町で仲良くしている男女を見ると、幸せな気持ちになる。
幼い子供に見られる時も、マスクごしだけど、笑顔を目で伝える。
笑顔は人を幸せにする。辛い時にも、その無垢な笑顔に助けられる。
男女のすれ違いは、どうしても多少ある。次の恋はちゃんと今までを活かして
女心をもっと理解してあげたい。またつまらない喧嘩をしても、謝って
出来るだけ譲って折り合いをつけて、また二人で笑いたいと思う。
恋が生まれやすい春じゃないような、春が来ようとしている。
だからこそ、私の数少ない知り合いを、また笑わせてあげようと思う。
季節感は年々無くなってきている。だからこそ向かい風にも負けないで行く。
私が頭が上がらないのは、いつも彼女だけだ。他の誰にも負けないが
大切な存在だからだ。初恋も長くは続いたが、私が悪かった。
初恋を乗り越えるのは、非常に辛かった。
あれから幾つも恋をしてきた。その度に成長できた。だからこそ分かる。
男性も女性も人間だ。この世界は二刀流で成り立っている。
その中には愛も恋も悪も善も、何もかもが詰まっているが、色々な物が詰まっている
から色々学べる事ができる。違いがあるから惹かれ合う。知り合いから始まり、
桜並木を歩くだけで、幸せを感じるほどの恋になり、最後に愛へと変わる。
もう二度と鞘から抜かれる事の無い、大小の刀を飾るように、仲睦まじい二人の写真が飾られる。それは年々増え続け、減る事はなく、如何に幸せであったかが、手に取るように分かる。最後まで二人の笑顔と手を繋いだ写真の通り、生涯は幸せで終わる。
私たちの世界は二刀流 春秋 頼 @rokuro5611
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