僕の初恋の人はとてつもなく訳ありで真相を知った時には驚いた!

katsumi

第1話  

僕は今現役の高校生。いろいろやりたいことが多い時期でもある。

だけど・・・僕は人と話すことは苦手で、友達も数少ない。回りの人たちは

女の子と合コンやらなにやらで何だか熱い。自分も彼女を手に入れてみたいけど

積極性に欠けているためそれはできかった。僕がいつのもように机に顔を伏せると

嫌な奴らが僕をからかいに来る。

 

「よぉ、どうだ今日一緒に合コンでも行くか?」

「やめとけよ、こいつがいるとシラけちまうよ!」

「あ、そうかごめんよ」


僕のことをああやっていつもからかいに来る嫌な連中。こんな事が

日常茶飯事のようにくるのが嫌だ。はっきり言って迷惑もいいところである。

 

そして、学校が終わり外へ出ると、今日は雪だった。もうすぐでクリスマスイブ。

みんなは彼女とデートやらで忙しい。僕はただ一人で寂しく過ごす事になる。

何だか悲しい話かも知れないが、この現実からは逃れられない・・・。

僕が帰るいつもの道で一人の女性が電柱に寄りかかっているのを発見した。

僕は何も言わず通り過ぎようとしたが、何だか足を痛めているように見えた。

僕はその女性の近くに行き声をかけた。


「大丈夫ですか?」

「え・・・えぇ・・・」

とても大丈夫そうには見えなかった。雪が降り積もるなか彼女は必死で

歩こうとしたが、痛みが激しくて動けないらしい。


「確か病院はこの近くにありますからそこまでなら・・・」

そう言ってちょっと恥ずかしながら、彼女は僕の背中に乗った。


◆◆◆


病院に着きようやく治療してもらった。幸い足に異常はなく、大事にはいたらなかった。僕もその彼女が終わるまで付き添ってしまった。


「あ・・・ありがとう」

彼女はそう言い残して去ろうとしたところ僕はつい、彼女を呼び止めてしまった。

「あのっ!」

「何?」

「クリスマスって忙しいですか?」


自分でも咄嗟にそう言葉が出てしまった。

そして彼女はその場で止まり、考えている様子を見せた。僕も何も言わず黙ってその答えを待った。


「いいよこの間のお礼のこともあるしね」


僕はその言葉を聞いて思わず叫んでしまった。それもそうである。今まで僕は女性とクリスマスを一緒に過ごしたことがないからだ。


高校生活で最高のクリスマスになるに違いないと思った。

そして当日になった・・・・。


◆◆◆


事前に彼女と連絡取っていたのでその場所へと向かった。彼女の格好は黒のブーツにベージュのトレンチコートを着ており首にはピンク色のマフラー、手袋をして口紅を塗ったあとのグロスもしっかりとされた格好で、僕の目の前に現れた。


「ごめん、待った?」

「いや、待ってないよ僕も今来たばかりなんだ」

そう言って手始めに遊園地に行き楽しさを満喫した。乗り物もたくさん乗り、彼女とは本当に夢のような世界にいるみたいだった。だが、今は夢じゃない! 現実にこうやって起きているのだ。僕にもやっと春が訪れたのかも知れない。やがて夜も更け、遊園地から出て僕は約束通り彼女の家に行けたのだ。


◆◆◆


クリスマスケーキは遊園地の帰りに二人で一緒に決めたので何も不満はなかった。

僕は未成年なのでノンアルコールを飲んだ。

彼女はそうではないので、アルコール度の高いものを飲んだ。

結構勢いが凄かったので内心驚いた。すると彼女は酔った勢いか

僕にそのまま目をつぶって肩を寄せてきた。

「ちょっと、まずいですよ・・・」

僕は否定した。彼女はそれをやめようとしなかった。


「ねぇ・・・」

彼女は僕の服をギュッと掴み、なぜか表情は暗く下を向いた。


「どう? 今日は楽しかったでしょ? でもね、私とは別れよう」


彼女は俺に突然別れを告げた。彼女がなぜそう言い出すのか僕には分からなかった・・・。

「なぜなんだ・・・」

僕には彼女のその言葉が理解できず、彼女を問いつめたが彼女はそれを

答えようとはしなかった。


「私にはこれ以上関わらない方がいい・・・」

「なんで・・・どうして・・・?」

「そのほうが絶対にいいから」

僕にはそんな言葉では納得できなかった。

「僕は・・・学校に行ったらいじめの対象になっているんだ誰も味方して

くれる人などはいない。だからせめて君だけいれば僕の心は癒される・・・」

僕がそう言うと彼女は僕の顔を両手で触り始めた。

「そうかぁ。じゃあ今度はいじめられないように強くなったらどうかな?きっとその状況は勇気1つで変えられるんじゃない?それにしても私も馬鹿ね。こんな事になるんだったらあの時断ればよかったわね」

「いやだ!」

 僕は彼女を強く抱きしめてしまった。

「僕は君のことが好きだ。離したくはない!」

その時彼女は何も言わず上着を脱いだ。僕は喉を鳴らして彼女をじっと見つめた。

「私はね・・・」

そして彼女は下着も脱いだ・・・その時だった。彼女の下半身の下着を脱ぎ始めると僕は信じられない光景を目の当たりにした。


「これでも私を好きでいられる?」


 僕は言葉を失った。まさかこんな綺麗な人が仮の姿だなんて・・・。

 僕は何も言えないままその場で立ちすくんだ。そして彼女・・・

 いや・・・彼は僕を後ろから抱きしめた。


「でも私も正直好きだったよ」


 僕は何も言葉を発せず放心状態が続いた。初恋の相手がまさかこんな人だったとは・・・。

「男の娘?」

「そうだね」


僕は言葉をこれ以上発する事が出来なかった。僕は何も言わず、黙ってその家から出て行った。それ以降僕は恋愛には引け目を感じながら生きてゆくことになりました。


そしてしばらくして彼の家に再び訪ねてみるともうそこは跡形もなくなっていた。

僕の初恋の人はすでに姿を消していたのだった・・・。どこへ行ったのかも分からず、連絡先も一切わからなくなってしまった。


でも決して騙すつもりで、僕に近づいたわけではないことは解っていた。


あれから学校ではあのとき言われた言葉通り僕が勇気を振り絞ってやめるよう言ったら収まるようになった。


最初はそれでも生意気だと言われ、喧嘩にもなったが、周りの人を上手く味方につけることが偶然できたおかげもあり、本当に自分の勇気1つで僕の状況が変わった。

あのときの言葉に嘘はなかった。そしてどうかどこかで幸せになり元気でいてほしい。


                              

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僕の初恋の人はとてつもなく訳ありで真相を知った時には驚いた! katsumi @katsumi2003

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