ガチ恋

興梠司

第1話 叶わない恋

この世の中には叶わない時がいくつもある。


私はメンズ地下アイドルエを応援していた。地下アイドル「ルルーブ」のあきとくん

私が世界一好きな人間、ブルールのライブ、イベントがあれば私は会社だろうが友達の誘いだろうが断ることにしている、そのせいで友達から誘われることもなくなったし、会社も休日に電話してくることもなくなり、私は自由を手にすることができた。


本日もルルーブのイベントが行われる、今日は友だちから高校の同級生の結婚式があるから来ないか?という誘いがあったが私は断った。結婚式にはあきとはいない、


今日のイベントはあきとと60分デートイベントだ、CDを会応募して当選した3名があきとやグループのメンバーとデートができるイベントが開催される。

私はDDを800枚かいイベントに当選した、友達は1000枚買っても当たらなかった子がいたので私はラッキーだ。その友達は100万円で転売ヤーから買ってイベントに参加するという、自分の力じゃなくイベントに行く友達を私は見下した。


イベントは代々木公園で始まった、一番最初は違う子で私は最後にあきととデートすることになった。スタッフの話によるとあきとが最後に選んだという、私はそれを聞いてウキウキした、最後ということは時間が過ぎてもいいということだと勝手に勘違いした。私はあきとと一緒にいたいという精神でいっぱいだった。


私の番がやってきた「千春ー元気??」と彼氏ぽい口調に私はドキドキをした、ベンチに座り私の作ってきたお弁当を開いたがあきとは反応もせず、弁当には手をつけてくれなかった。私はしょぼくれた。こんな思いを込めて作ったお弁当を食べてくれないなんて、涙が出てきた。前々回のデート会のときに作ったお弁当は食べてくれたのに、今回は駄目見たい、たしかに前々回のデート会の後あきとはお腹痛くなっていたけど、髪の毛切り刻んで作ったお弁当くらいだったらお腹いたくならないもんね、わたしのせいじゃないからこのお弁当食べてよ。


あきとが「お腹いっぱい」と行って食べようとしない。

「なんで他の女と食べるのに私とは食べないのよ」

と私は怒り出した、土曜日の昼代々木公園には人がいっぱい

いるが人の目なんて気にならなかった、

私のお弁当を食べてくれなかった方が問題だった。


アキトから落ち着けよと言われたが落ち着けなかった。私の弁当を食べてくれないなんて理不尽すぎる。頑張って作ったお弁当なのに、全てがムカついた。

今までのスキャンダルをあきとに全てぶつけた、いろんなスキャンダルが出ても私は許していたし、ファンを辞めなかったのに、こんな仕打ちはひどすぎる。

お弁当くらい食べてくれてもいいのに、今回は髪の毛と爪を切り刻んで詰め込んだ愛情弁当なのに、なんで食べてくれないんだろう、私はむなしくなり時間を余らせたがデートイベントを切り上げた、もう、あきとなんて好きじゃない。



後日ファンクラブから連絡が来た。今後のライブやイベント出入り禁止のお知らせだった、周りも私のことをわかってくれないとスマフォを床に叩きつけ、あきとの家にむかったがあきとは家にいなかった。あかりの灯らない家を見てポストに手紙を残し後にした。


後日私は捕まった。罪状はストーカー規制法、最後に家のポストにカッターの柄と私の血がついた手紙を入れてきたのがいけないという。


そんなの知るか!というのが私の脳内に響き渡った、私はあきとが好きなだけだと、あきとは地下アイドルを卒業しYouTuberの千影と結婚した。

私はもうなにもできない。あきとと千影の生活を目の前で見ようと同じマンションに引っ越したが目新しいものは何もなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ガチ恋 興梠司 @asahina0606

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ