血液の中に田原総一朗
第6話・【アチの世界の研究室】博士と助手の会話
アチの世界〔現界〕から、コチの世界〔異界〕に洞窟を通って行った者が、本当にもどってくる途中でウ●コに変わってしまうのか?
その実証実験のために使用する、古い潜水服の整備をしていた博士に顕微鏡を覗いていた助手が言った。
「採取した博士の血液中に、変なモノが混じっているんですが……ちょっと見てください」
博士が顕微鏡を覗くと、白血球の近くに肌色をした奇妙な生き物が浮かんでいた。
「『田原総一朗』だ……裸の」
「田原総一朗ですか?」
「この免疫細胞は、本来ならば隠したい自分の黒歴史の姿を堂々と晒け出しているな、漢細胞……いや、敬意を払って『AV細胞』と呼ぶべきか、ここまでの度胸を、わたしは持ち合わせていない」
「でも博士、裸ですよ」
「君は風呂に入る時に、服を着たまま入浴するか?」
「いいえ、裸になります」
「そうだろうな……血液の中で免疫細胞が服を着て浮かんでいたら、そっちの方が気持ち悪いだろう……それじゃあ、明日はコチの世界からアチの世界に行って帰ってきた者が、本当にウ●コに変わってしまうのかを……自分の体を使って実証するから」
タコツボのような潜水服のカプセルを、頭にかぶった博士が言った。
「朝が早いから寝るぞ、君も機材の点検が終わったら寝なさい」
「博士がウ●コに変わってしまったら。血液中の田原総一朗も……当然、博士と一緒にウ●」
「それ以上は、言うな!」
血液の中に田原総一朗~おわり~
※補足
コチの世界〔異界・異界大陸国レザリムス〕の住民は、アチの世界〔現堺・平行世界の現実世界〕へは、繋がりがあるアチの世界のみ自由に往復できます(その世界のみのパスポートがあるようなものです)
アチの世界の住人は、コチの世界へは一方通行で無理に帰って来ようとすると、ウ●コになってしまいます。
ここにも、そこにも、あそこにも?田原総一朗 楠本恵士 @67853-_-
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