食べてみた

 健康的にえごま油とレモン汁をかけて食べてみた。


 オイリーな味だった。

 バターではなく、サラダ油のような味がした。


 オリーブオイルがダメだったのか。

 豚肉が余計だったのか。


 いつもの「きのこにバター醤油」を身体が求めていたのかもしれない。クリームフィットチーネな外見が期待感をいだかせてしまったのかもしれない。


 それらが入ってくると思っていたのにこの油がさらさらな舞茸とナスの豚肉炒めが口から入って来たら、体がびっくりしたのかもしれない。


 そもそも塩分が足りない。それがオイリーさを不快にしているのかもしれない。

 市販のめんつゆをあともう少し入れるべきだったのかもしれない。そもそも市販のめんつゆではなく、醤油がよかったのかもしれない。


 でも、いつものきのこにバター醤油も実は醤油ではなく、市販のめんつゆを使っていて私好みの味になっている。


 シンプルイズベストなのか?

 いつものきのこにバター醬油に、ナスとベーコンの炒め物をまぜてしまったのがよくなかったのか。


 冷蔵庫にあった、賞味期限がヤバい物をとりあえず加えてしまったのがよくなかったのか。それでとてつもなくおいしくなることもある。


 足し算にするべきだったのか、引き算にするべきだったのか。



 次は、豚肉はやめ、油は贅沢にバターだけにして、市販のめんつゆを1.5倍程度にしてみよう。そして、食材が最期に輝こうとしている時ではなく、もうすこし生命力にあふれている時にしてみよう。

 たぶん、美味しくなりそうな気はしている。


 それを『最期の輝きを放つ舞茸とナスの炒め物改』と名付けたい。

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最期の輝きを放つ舞茸とナスの炒め物 玄栖佳純 @casumi_cross

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