鈴の音で蘇る記憶

樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須

鈴の音で蘇る記憶

♪〜

鈴の音が聞こえた気がした

あぁ。あの人専用にしていたあの着信音か


無性にあの人の声が聞きたくなって

あの人の番号に電話をしてみる


出るはずなんてない

そんな事、電話する前から分かっていた


呼び出し音が鳴った 

心臓が飛び出しそうだった

鼓動が速いまま、呼び出し音は15回を過ぎただろうか

留守電に繋がり、あの人の声が流れた

膝から崩れ落ち、

堰(せき)を切ったように止めどなく涙があふれた


また、あの人の声が聞けるなんて…

そう、こんな声だった…こんな話し方だった…


言いたいこと、たくさんあったのに

何も言えないまま無情にも留守電は終わってしまった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

鈴の音で蘇る記憶 樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須 @ituki505

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ