夭折レイトショウ

青年、出雲凛は炎の中で十七歳という若い生涯を終えた。
だが気がつけば、彼は夜の街の中で立ち尽くしていた。

夜のビル街。
異世界転生にしては見慣れすぎ、しかし走馬灯にしては味気のない光景に困惑する凛。
しかしそんな彼に古風な喋り方の幼い少年が声をかける。

「ここは霊都。若くして死したる魂が最期に寄る、人生の二十二時──彼岸へゆくその前に、良ければちょいと、寄ってみてはいかがかね？」

あの世とこの世の境界にある都、霊都。
そこは夭折した少年少女が最期を好きなだけ楽しんでゆく世界。
明けることがない夜の街は、今日もそこら中で暇を持て余した若者たちが好き勝手暴れまわっている。

そこは永遠に続くレイトショー。
一人ひとりが主人公であり観客でもある銀幕の世界。
途中退席はご自由にどうぞ。『永遠』…続きを読む