記憶3
ニッと笑った
おかしい。なぜか嫌な予感がするのと、あの
一歩ずつこちら側に歩みを進める
嫌な予感ほどよく当たるもので、
いつの間にかカイトの遺体は撤去されていたようだが、地面に残ったままの血溜まりが、俺に死の現実を残酷にも突きつける。
俺の方の心の準備なんてできているはずもないが、無情にも
「っく……っそ!」
震える手で握りしめるのは、持ち慣れていない長剣。どう扱っていいかわからないので、見よう見まねで振り回すことしかできない。
周囲からはゲキャゲキャという笑い声が絶えず聞こえる。
「くそ!くそ!くそぉ!」
俺は木剣をめちゃくちゃに振り回す。モンスターを前に冷静さを欠くことは悪手なのだが、この状況で冷静でいれる人の方がおかしいと思う。
——パコンッ。
運が味方したのか、俺の木剣の先端が
「ゲシャァア!!」
木剣の当たった部位を押さえた
——ドンッ。ドンッ。ドンッ。
その音はまるで、死までのカウントダウンのようだった。
光と夢幻のルゥスリィス 抄録 家逗 @aoharuyamai
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