幕間

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アン視点


今日私はダグ爺とロズエルに頼んでいた武器と防具それから学院の制服を取りに来た。最初に行くのはダグ爺の店だ。

「おい、ダグ爺もう出来てるだろ?」

「あぁ、できとるわい少し待っておれ、すぐに取ってくる」

そう言いダグ爺は座っていた椅子から立ち上がり店の裏に向かっていく。

「それにしてもすぐにダグ爺が武器を作るとはねぇ」

そう小さく呟く

「ほれこれじゃ!どうだ、最高の出来じゃわい!久しぶりに武器を作ったものだったから少し張り切り過ぎてしまったけどのぅ」

ハッハと笑いながら言うダグ爺

「これはまた凄いのを作ったねぇこの小太刀とかもう国宝級の物はじゃないのかい?」

「わしは下手な武器は作らんまぁこの武器共もあの小僧に馴染むかはわからんがのう…どうせお前のことだある程度の訓練はしとるのだろう?どうなんじゃ?」

「そうだねぇ…短剣は普通のものでは威力が足りないからゴブリンすら倒せるか怪しいねぇでもスピードを活かしたスタイルならそれなりの魔物は闘えるとおもうよ」

「そうかい、そうかい」 

満足そうにうなずくダグ爺

「これからが楽しみじゃのう、それじゃあ武器をしていくからよく聞いておれ、まずはこの短剣じゃ、こいつはお前が持ってきた雷獣雷狐サンダーフォックスを使ったものじゃ、切れ味は鋭くするのには苦労したわい、その苦労のおかげが切れ味は、わしの作ったものでは最高級じゃ、武器魔法・武器属性はともに雷属性のボルトを使える、次にこのナイフじゃ扱いやすいように小さめのサイズじゃ、エンチャントは身体強化がついとる属性魔法はないが武器属性は氷じゃ最後はこの小太刀じゃこいつはお前が面白い素材を一つ入れとったからそいつを使ってみた」

「なんか入ってたかい?」

「お主まさかあんなもん入れといて忘れたのか?」

「いやほんとに思い出せないね、なんだい?」

「邪神、デスサヘルの欠片を入れておったろうに」

「まさか、そいつを使ったのかい!?」

「あぁ、あんなもん入っとったら使わんわけにはいかんだろう!久しぶりに血が騒ぎよったわい」

「私はそんなものを入れたつもりもなかったんだが…それで?そんな危険な素材を使ってどんなものができたんだい?」

「それはもうすごいものじゃ、さっき言った短剣よりもさらに切れ味が高い、おそらく神級の結界くらいならたやすく切れるだろう、武器魔法・武器属性はともに闇じゃしかし魔力を多く使うからあの小僧には魔法は使えんと思うぞ?エンチャントは特にしとらんというかできんかった…」

「できなかっただって?ダグ爺がエンチャントできない武器なんてあったかい?」 

「初めてじゃよ、エンチャントができんかったのは、しかし固有エンチャントがあるのじゃそのエンチャントが中々に厄介でのう…」

「もったいぶらずに早くいいな」 

「わかっとるその名も邪神の祝福じゃ」

「まさかの祝福持ちの武器かい…内容は知っているのかい?」

「あまりわからんかった。わかったのは、小僧を殺すようなものではなかったということじゃ」

「そうかい、なら大丈夫だろう、でももし何かあったら私が尻拭いをしないといけないな、このことはわかってるね」

「わかっとる、ここだけの秘密じゃろ」

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逃亡者の異世界生活 モン @momonox3sey

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