第3話 とりあえず10万円使ってみることにした。

 銀行に計200万円を預けて2日が経過した。手元のお金は1000万円に戻っていた。宝くじがあたったら何に使おうかというのは、たまに考えたことはあったけれど、いざ実際に手元に大金があると使い方に困ってしまった。自分が趣味のない人間であったことを痛感する。スマホのアプリゲームに課金しようか、高い服でも買ってみようか、高級な時計でも買ってみようか、などなどいろいろ考えた。いろいろ考えているうちにその日は寝てしまっていた。

 さらに4日が経過した土曜日。目が覚めるとやはり、お金はさらに増えていた。とりあえず、この週末で何かに使おうとは決めた。ただ、何に使おうかは決まっていない。悩んでも仕方がないと思い、とりあえず外に出てから考えようと、10万円をもって駅に向かってみた。お地蔵様に100円お供えしたが、いつもとかわらず何も起きなかった。

 起きた時間が遅かったこともあり、駅前についたのが12時前。起きてから何も食べていないのでおなかがすいてきた。目についたファミレスに入ってみた。お昼時ということもあり、混雑していたが待たされずに座ることができた。たまに使うことのあるこのファミレス。普段なら1000円以下にしようと頑張りつつも1500円ぐらい使ってしまう。一番安いハンバーグセットだけにすればよいもののサイドメニューを頼んで、ドリンクバーも追加してしまう。つくづく節約ができないのだな僕はとその都度思う。

 でも今日は違う。一番高いサラダにスープ、ハンバーグにステーキ、ライスはもちろん大盛で。ドリンクバーにデザートも。大豪遊した。お会計は3000円を超えた。普段の倍、使ってしまった。値段を見ずに好きなものを好きなだけ食べられた。大満足でおなかもいっぱいだ。眠くもなってきてしまったので1回帰ることにした。タクシーを使ってみた。いつもなら15分かけて歩く道がわずか数分だった。お金持ちが車を使う気持ちがわかった。

 昼寝をして目が覚めると17時を回っていた。今週は家に帰ってからお金の使い道を考えて寝不足になっていたのか、結構な時間昼寝してしまった。夜ご飯を考えよう。いつものように冷凍食品でも適当に食べようかとも思ったが、お金を使うと決めたことを思い出す。駅前の回転ずしに行ってみた。大トロ、うに、いくら。普段は食べないようなものをたくさん食べた。おいしかった。お椀、茶わん蒸しもつけてみた。お昼と違って量は食べてないのにお会計が5000円を超えて、結構驚いた。

 家に帰ってふと思うともらえた金額の1/100しか使えなかった。それでも1日に1万円豪遊できたのは優雅な1日であったと感じた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

毎日100万円もらえるようになったのだが、僕はどうすればよいだろう。 @Langhans

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る