第2話

 次に、ギフトを貰った作者さんに関することも少々続けます。


 一部の書籍化レベルの作者さんや、きっちりしたお礼を用意してくれる作者さんにギフトを渡すのは、お金に見合った見返りを貰っていると思えるでしょう。

 こういうのは、特に問題にならないと思います。


 しかし、そこまでのレベルじゃない、お礼の用意もままならない、まだまだ修行中の作者さんにギフトを渡すのは、たとえお気に入りの作者さんであっても、ちょっと損をしている気持ちになるかもしれません。

 

 でも、これもちょっと待ってください。


 作者としては、やはりギフトをいただけるのって嬉しいものです。「見返りなんて用意できないよ……」と戸惑う方などもいるでしょうが、やっぱり嬉しいのも確かです。


 自分の作品にお金を出してくれる人がいる、お金を出してでも応援してくれる人がいる、という事実は、創作する上でとても力になります。


 星の数やフォロワーの数を見て、自分には才能がないと思って書くことを止めてしまう作者さんは、たくさんいると思います。

 けど、「人気が出ること」と、「才能があること」や「作品が面白いこと」はまた別の話です。

 ウェブ上での人気がそこそこでも、本当に面白い話を書く作者さんが筆を折るのは、もったいないと思いませんか?


「見返りとか別にどうでもいいけど、とにかくあなたの作品が好きだからギフトを贈るよ」

「今公開している作品を読めただけでお礼は十分だよ」

 という読者さんがいてくれれば、書き続けようと思える作者さんもいるはずです。


 それに、作者さんの中には「初めて書いた作品が書籍化しちゃった、てへぺろ」みたいな化け物もいらっしゃいますが、通常そんなことはありません。

 五年、十年書き続けて、ようやくそれなりに形になる方が普通です。


 作者さんが、なかなか日の当たらない中でずっと書き続けるには、多少なりとも誰かの支えは必要になります。

 いつか、誰しもが認める名作を書くようになるかもしれない作者さんに、今、応援の気持ちを届けるのって、案外大事なことです。


 かく言う私も、小説を投稿し始めた初期に、「面白かった」「あなたのファンになった」と言ってくださる方がいて、そのおかげで人気云々をあまり考えずに書き続けられたと思っています。

 そして、なんだかんだそれなりに長い時間書き続けて、ひとまずはフォロワーさんが三千~五千に至る作品を書くことができるようになっています。


 ギフトを渡しても、結局早期に消えてしまう作者さんもたくさんいることでしょう。

 でも、そのギフトのおかげで書き続けられる作者さんもきっといます。

 書くことを止めてしまう作者さんにしても、ギフトを貰えた嬉しい記憶はずっと残り続けると思います。


 こういう一面もあると考えると、多くの作者さんにとっても、KSPって案外悪くはないのではありませんか?



 さて、長々と書いて参りましたが、要するに、「カクヨムへの課金も案外悪くないよ」ということをお伝えしたかったわけです。


 この課金は、通常のお買い物とは違った意味合いにはなるでしょう。課金額に対する十分な見返りは得られない可能性もあります。

 それでも、物語が好きで、それを提供する会社や個人を応援する気持ちを持てたら、少額でも課金してみて良いと思います。

 無料で楽しめることに甘んじていたら、いつかカクヨムも、良き本も、作者さんも、消えてしまうかもしれません。



 では、読了、ありがとうございました。

 良きカクヨムライフをお楽しみくださいませ。

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