僕はきれいでしょうか、、、

@sigusa

第1話 もう少し生きていたかった。

僕は目が覚めたよ。

そうこれは夢の中で、ここはどこだろうか

ここは土の中だろう、土のにおいに、ミミズやなんだあれは?

変な虫だな。まぁいいか。

僕は本能的に、この根に沿って進めばいいと思った、

土の中は楽しいよ。毎日がいろいろなことの連続だからね。

いろんな虫や、いろんな植物、見る景色も変わっていくし、

何より飽きないのがいいね。


地上に出て、幹を上っているのさ、

正直に言っていいか?めっちゃつまんないな、

ずっと続く一本道に、先が見えないくらい遠いし、

もう上るのをやめたいんだ。実はね、もうとっくに心は折れてる。

まるで人生みたいだな

根は人生最初の20年、

幹は人生の中盤ってところか、どうりでつまんねぇんだな、

単調で退屈な毎日、自分がどこを目指しているのかもわからないね。

レールの上を歩いているだけなような、、、

考えちゃダメだろ、とりあえず登ろう。


もうどれだけ登ったかわかんねぇな、

だけどやっと分かれ道だいろんな道があってどこに行こうか悩むな。

自分の直観に従って、右から3番目を選んだ。

それから次を右、そして左、そして右。

進むにつれて道は細くなっていき、

僕は長い時間をかけて枝の先にたどり着いた、、、


やっとだ。俺の苦労は報われることはなかった。


自分が生きた意味が分からなかった。もう僕は生きつかれたよ。

僕がなんのために頑張ったかなんてわからない。

だけど、この木に咲いている花を見たかった。

ただそれだけだった、、

僕はこの枝から飛び降りて死んでやろう。

ゆっくりと背中から、

飛び降りた。

僕はひらひらと舞い降りる。


僕の居た枝が見えた、僕は悟った。


なんだ、きれいじゃんかよ。


もう少し、咲いていたかったな。


僕の名前はソメイヨシノ、ポツンと咲いた花の名前、


せめて、私を忘れないで。また来年、会いましょう。

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