結
キミの気持ちがわかったのは
別れの時だったのかもしれない。
それすらも
正しいかどうかはわからないけど。
ボクは、キミが流行りに乗っただけだと思っていた。
英雄の妻になり、皆に自慢したいだけだと。
それでもいいと思ってたから
深く知ろうとしてなかった。
見てて飽きなかったから。
舞だけじゃなくて、キミはボクの笛を
「ヘタクソ」と言うだけのメンタル持ってる人だったから。
そこが好きだったよ。
嫌味じゃなくて。
でもだから
何を言っても大丈夫な人って思わないでね。
ボク、豆腐メンタルだから。
だから確認してこなかった。
怖かったから。
キミにとってボクはそれだけの相手で
ボクのことなど、どうでも良いんじゃないかと。
だから落ちぶれたボクのことなど
捨てて行ってしまうと思っていた。
そういう人なら
楽だった。
キミがそういう人だったなら
よかったのに。
それなら心を乱したり
後悔することもなかった。
薄々
そうではないかと思ってはいた。
ふだんが滅茶滅茶だったんだから
ふつうの人がするようなこと、するはずなかったんだよ。
でも信じることができずにいた。
キミは雪の吉野の山で、別れを拒んで。
意地を張っているだけなら、それでもいい。
ボクは鎖をつけた。
「また会おう」と 呪いをかけた。
ホントは
キミが言ってた通り 生きるつもりがなかった。
でも
ウソのつもりもなかった。
キミに鎖をつけた。
「また会おう」
生きるつもりはなかったけど
また会えるような気はしてた。
それを言わないと
どこまでもついて来てしまうような気がしたから
別れを先延ばしにした。
ホントはあの時
ちゃんと別れるつもりでいたのにね。
なんでボクなんかと関わることにしたんだい?
あの時別れていれば、キミは苦しまずに済んだのに。
苦しんでるのは
ボクの方なのかな?
キミはどこまでも追ってくる。
キミの
まだ見つかる。
びっくりだよ
仰天だよ
嬉しくなる
そして
悲しくなる
ごめんね
ボクが弱かった。
もしもキミが
まだボクを必要としているなら
その鎖を外すから
愛しているよ
いまもたぶん
だから
お願い
笛 玄栖佳純 @casumi_cross
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