高嶺の花はただのコミュ障でした

phia

第1話


俺、花江悠輝の通う高校には高嶺の花がいる。


背中まで伸ばした色素の薄い髪、整った顔立ちに引き締まったスタイル、成績は常にトップ、おまけに家が大企業の社長令嬢だとか。


そんなアニメや漫画でしか聞いたことのないような完璧超人、それが花守陽である。


◇◇◇


(ガラガラ)


先程まで騒がしかったクラスメイト達が一瞬にして静まり返った。理由は簡単、花守陽が登校してきたからである。彼女はゆっくり歩いて席につく。

彼女が座るとクラスメイト達はまた雑談し始める。

(今日も相変わらず可愛いなー!)

(昨日も誰かに告られてたんだよな?)

(ああ、この前はあの5組の山本もフラれたって!)

(マジか!?学年1のイケメンでも無理かー!)


「よっ、ゆう。朝からボケーってしやがって、なんだ?また徹ゲーか?」

「ちげーよ、昨日は遅くまでバイトでだったんだよ。そっから勉強してたらあんまり寝れなかったんだ。」

「はあー、ったくご苦労なこって。学年2位はえらいねぇー」

「うるせー。ていうか俺をあのゲームの沼にはめたのはお前だろ、今度のテスト順位落ちたらお前のせいにしてやる。」

「いや理不尽すぎだろ!?俺はただ勧めただけだぞ!」


そうやってケラケラ笑うのは俺の数少ない友人の1人である神代淳一(かみしろじゅんいち)である。180センチ以上の身長、顔はイケメンでバレー部として1年生ながらレギュラーで活躍しているそうだ。性格は明るく誰とでも分け隔てなく話しすぐに仲良くなる。


つまり、超モテる。


そんなきらきらオーラを纏ったナイスガイから目を守るためふと廊下側に目を向けると、花守と目があった...がすぐに逸らされてしまった。


「花守さん、今月入ってもう5人に告白されたらしいぜ。ま、全部無言で頭下げて去っちまうらしいが。」

「へぇー、確かに可愛いとは思うけど、一生懸命想いを告げてくれた人相手に無言で去っちまうのはどうかと思うがな」

「まぁまぁ、最近だと断られることがわかってるからって罰ゲームで告白してる奴もいるぐらいだし。」

「ふーん」

まぁそんなことされたらそこまで塩対応になるのも仕方ないか。けど

「誰も喋ってるところを見たことないっていうのも不思議すぎるよなー。」

「本当にな」

「あ、でも軽音部では普通に喋ってるらしいぞ!」

「あぁ、今度の文化祭ボーカルとして歌うって噂のやつか」

「そそ、花守さんの声が聞けるんじゃないかって」

「そりゃ楽しみだなー」

「棒読みだなーおい。気にならないのかよ」

「別に、特に興味ないかな」

「つまんねぇなお前ー」

「やかましいわい」

それしても本当に、なんで喋らないんだろうな。何か深い理由があるとか?それとも案外ただコミュ障してるだけだったりして?ま、どうせ関わる機会なんてないしかにするだけ無駄か。そう俺は結論を出して机に突っ伏した。




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はじめまして、phiaと申します。この作品が私の処女作になります。小説を書くのもそれを投稿するのも初めてなのであたたかい目で見守って下さい。

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