僕と夕方5時の少女
熊仙人
第1話 出会い
それは何の前触れもなく訪れた。
夕方5時の音楽が流れる駅前の歩道橋、僕の中学からの帰り道に通る場所だ。駅にはショッピングセンターが併設していたり、下にはバス乗り場やタクシー乗り場があり、市で一番栄えている。
この音楽は毎回聴くたびに心地よい気持ちにさせてくれるとても良いものだ。目を閉じ音楽が終わるまでその場に立ち止まる。もちろん、人の邪魔にならないところで。
そうして音楽が鳴り止み、目を開けると少女が一人いた。
その子は手をせわしなく動かし、何か驚いているような雰囲気だった。
何をしているかわからないけど、僕のようなモブ人間には関係ないことだからとその場を立ち去ろうとしたとき、ふいに声をかけられた。
「まるまるくん…」
僕の名前はまるまる。それは違う。丸井まはるという名前がある。それをクラスメイトは(まるまる)と呼んでいる。あまり嬉しくはないが定着してしまっているからどうしようもない。
「……筒井さん?」
よくよく確認すると彼女は僕の知っている子だった。名前は筒井まどか。僕と同じクラスの子だ。クラスでは目立つ方ではないけど、勉強はできると誰かが言っていたのを聞いたことがある。
そんな彼女だが、突然目の前に現れたのはどういうことなのだろうか。
僕と夕方5時の少女 熊仙人 @kumasen11
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