第2話「いつもの朝」
「朝だ」
小鳥のさえずりで目が覚めたヨゼフ。
身体の左側に目を向けると、ヨクサルはまだ高いびきをかいて眠っている。
「ギャ……!」
腹に一発くれてやった。
それでもヨクサルは飛び上がるようなことはなく、ただゆっくぅりと体を起こして目を擦る。
「スープの夢を見たんだ」
ヨゼフは無視して身支度にかかる。
「真っ白なスープの夢。真っ白で、カチカチで、いくらすすっても口の中に入って来やしないんだ」
ベルトをカチャカチャ。タンクトップをパチン。
白いタンクトップに茶色い鶏卵色のズボンという、いつものヨゼフの出で立ちがキまったとき、ヨクサルもまた同じ格好をしていた。
(俺が無視している間に着替える隙があったとはな)
心の中でつぶやいたつもりが、ヨゼフはつい口に出していたようで、ヨクサルは「へへっまあね」と嬉しそうにニヤケた。
今日も、農場での一日が始まる。
★★
朝露に濡れた雑草を刈り取るところから……
ヨゼフとヨクサル @hadahit0
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