バイト先の副業が祓い屋という特殊環境に身を置く主人公都築くん。
カフェの店長が相当な実力者のためか、持ち込まれる依頼はかなりヘビィなものばかりなのですが……都築君、なんとミリも霊能力がない!!!
普通の人でも、ぞっとする場所があったりするじゃないですか。何となくここ、嫌な感じがする? 程度は、幽霊が見えなくても肌感覚で感知すると思うのですが、なんとそれすらない。
それが何をもたらすかというと、霊障の類も全く影響を受けないというびっくり体質。つまり幽霊からの攻撃に対してノーダメージ。
都築君視点の一人称なので、都築君が見えないものはもちろん読者も見えない。すぐそこで霊能力バトルが繰り広げられているのに、全く見えないんですよ。こんな作品、かつてあっただろうか? 実写映像化が低予算で出来てしまう…(演者の演技力はすごく問われる)。
脇を固めるサブキャラも個性派揃い。エピソードがある程度の塊で完結する構成で、まとめて各編ごとに読みやすい点もおすすめ。
最後は何故か都築君がトホホな感じで終わるパターンが多いのは、主にくせ者の店長のせいですが、それでも美味しい賄いに絆される素直さというか単純さが可愛い。
明るくコミカルなホラーという新境地、ぜひその目で確かめてみてください!
ご縁があり、この物語に出会いました。
本作は大学生の主人公が、カフェバーでバイトしている中で、店長が副業で『祓い屋』をやっていることを知る所から物語が始まります。
しかも彼、霊力も霊感も全くないが為に、呪われようと祟られようと全くノーダメージというある種の特異体質だったんです。お陰で、霊が荒れ狂っている中でも平然と動くことができるという、ある種の無双状態でした。その代わりに、霊とのカッコ良い戦闘シーンすらも見ることができません……なんてこったッ!
しかし、これがまた面白いんですよ。霊感ゼロの彼だからこそできるお手伝いがあり、それがまた物語を盛り上げてくれます。また、彼は店長によって体よく利用されており、笑いすら誘ってきます。とある場所では、「おい、店長(笑)」と思わずツッコミを入れてしまいました。まさに、この発想はなかった、というやつですな。毎話毎話、何故か一番ボロボロになっている彼に、敬礼ッ!
他の皆様も、是非読んでみてくださいッ!