ダ・ヴィンチ・コード

 これで一旦打ち止め。


 当初、加入は一ヶ月と決めていましたが見たい作品が残っていたので延長しました。しかし本当に今回で退会しました。三ヶ月後くらいに再開するかもしれません。


 というわけで、最後に何を見ようかと迷って考えた末にずっと見たかったダ・ヴィンチ・コードをチョイス。全裸監督も見たかったんですが一日じゃ無理かなって。次回にとっておきます。



 一言で言えば難解。

 知識がなくても楽しめるけど、知識があった方がより楽しめる。テネットより顕著ですね。芸術を楽しむには歴史的な背景などの前提の知識が必要みたいな話です。


 私こう見えて(?)大学では中世西洋史専攻だったのでキリスト教に関しては普通の日本人より多少知識はあると思ってます。キリスト教の知識というかヨーロッパの宗教観について、でしょうか。

 今の日本の宗教観が神仏混交に始まり八百万の神々を信仰する何でもありの世の中だ、ということを知っているのとそうでないのでは日本を理解する上で相当な隔たりがあると思います。

 例えば「安全祈願のため宇宙船の中に神社を建てる」と聞いた時に不思議に思っても不快感や拒絶を覚える方は少ないと思います。宇宙船そのものに神様が宿ることに何の疑いも持っていません。これがキリスト教だと「神は宇宙船にも宿る」なんて言おうものならブチ切れられるでしょう。船を作るのが神であり、船と神を同一視する日本人的宗教観とは相容れないのです。


 この映画で「キリストは神じゃなくて人間なの!」ってのをキリスト教最大のタブーとしていますが、日本的に言えば「天皇は人間の子孫! ヤマトタケルノミコトとか神武天皇の子孫とか言ってるけど結局はどこかの豪族が自分たちの正当性を主張するためにでっち上げたのが古事記であり日本書紀なの!」って言われて怒るのは一部で、多くの人は神話はファンタジーと理解した上で楽しんでいることでしょう。天皇が現存している日本では、この衝撃が少しわかりにくいかもしれませんね。天照大神あまてらすのおおみかみは卑弥呼のことで、卑弥呼の子孫が実在した、とか……これでも弱いか。ていうかむしろ日本人は積極的にこの手のネタを使っているので慣れているのかもしれませんね。


 あとマグダラのマリアに関して。2000年頃にジャンヌ・ダルクをモチーフにした作品を作りたくて色々調べるうちに「歴史の都合によって聖女から魔女にされた人物」としてジャンヌとともに名前が挙がっていたのがマグダラのマリアでした。少なくとも昔から知られた人物であるのは確かですね。ていうか聖書に登場するし、神話の神様程度の知名度は大昔からあったでしょう。


 これをうたわれるものシリーズに置き換えてキリストをハクオロとすると、うたわれ2で「ハクオロの娘!? 母親は誰だ!」的な展開。いやこれ以上言うとどっちからも怒られそうだからやめとこう。



 映画の話しろって? そうですね。

 ぶっちゃけ「なんかしらんけどいつの間にかすごいことに巻き込まれてすごい謎を解き明かしてしまった物語」って感じで、ミステリーと言いつつ考察する余裕もないままにベルトコンベアで真相に運ばれていったような気分。

 面白いんだけど「何でキリスト教はキリストが人間だとタブー視してるのか」とか「テンプル騎士団? シオン修道会? 何が実在して何が架空の存在?」とか、わけが分からぬままに物語が進行していっていつの間にか謎解きが終わっていた、という方が多かったのでは。

 そもそも聖杯ってなんぞや、って人多いでしょう。ただのレベル上限解放アイテムじゃないんですよ。


 展開は多少早足感が否めませんが、映像は豪華でTHE・一流映画って感じです。良い映画を見た、と胸を張って言える作品でしょう。


 表の天皇家に対して実は密かに裏天皇家が続いていて表の天皇家はカモフラージュで実は真の天皇家が存在していました神代からの神秘を受け継ぐ特別な巫女です、みたいな中二病もかくやな展開をマジでやってのけた作品って言えば超面白そうに聞こえてきませんか。あなたは天皇家の血筋を引いてます1000兆円の資産を相続するために50万円振り込んでください的な。この映画を面白いと思った人は迷惑メールに騙される可能性があります、気をつけましょう。



 私はこうやって創作する人間なのでインプットだけではなくアウトプットするにもそれなりの時間が必要ですが、ただ映画を楽しむだけならネトフリ、というかサブスクって良いですね。好きな時に好きなものを楽しめる。映画見るより安い値段で一月映画見放題って、そりゃ映画館儲からないわって思いますもの。


 もしおすすめの作品があれば教えて下さい。びっくりするほど映画を見ない人間なので何でも見ます。

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見た作品の感想を言うだけ(ほぼ映画) いずも @tizumo

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