応援コメント

すべてのエピソードへの応援コメント

  • 美の造反者への応援コメント

    こんにちは。お世話になっております、縹です。ご作品、最後まで読ませて頂きました。

    いやあ、笑った笑った。最初、主人公君がヘルメス君の姿とヘルメス像とを重ね合わせたとか何とか言い出した時点で嫌な予感はしていましたが、「美の凋落」にてヘルメス君に女の子が話しかけた直後に主人公君が「斬首だ」とか(心の中で)言い出した瞬間にね、もうね、飲んでいたお茶を噴き出しました。
    ヘルメス君の破顔を目にした主人公君が憎悪を膨らませていく様に、「気持ちは分からんでもないけど、そこにいるのは酔いしれるような美を湛える彫刻ではなくただの人間なんだから、そりゃ笑いもするだろうさ」と一頻り笑っておりました。
    まあ、そこら辺の主人公君の意識の変化も含めて「塑造」なんでしょうね、きっと。最後の主人公による(ほぼ一方的な)意趣返しも「梶井基次郎の檸檬のオチみたいだな」と思いつつ、ニヤニヤしながら読んでおりました。
    ……うん、やはり私は芸術に対する感性が薄いようですな。


    さて、ここで誤字報告をば。

    美の凋落

    「かるが故に美とは孤独である」→「然かるが」?

    「書かれた文章の辿々しいは筆致と〜」→「辿々しい筆致」

    「それとは不相応な、譬しへも無く」→「譬(たと)へも無く」?

    「この言おうようもない充実感」→「言いようもない」?


    美の造反者

    「陽褪せた橙色のカーテンを」→「陽褪せした」?

    誤字報告は以上となります。他に見落としている可能性もあるので、今一度ご自身の目でお確かめ下さい。

    ☆評価を入れさせて頂きました。これからのご活躍、心より応援しております。素敵な作品、ありがとうございました!

    作者からの返信

    縹様

    御高覧賜り誠に光栄です。
    縹さんらしいご感想、大変楽しく拝読いたしました。

    拙作ヘルメスは、解釈学(Hermeneutik)の語源たるギリシヤ神ヘルメスの名を借りて、その「解釈的美」の誇大表現にばかりに終始した結果、それが突き抜けて、終いには何やら面白いことになってしまったトンデモ小説でございます。
    知的なものの構築を目指しているようでありながら、観念語の多用の為に論理は空転し、構築など儘ならぬ混沌の中で、美諸共崩壊してしまった。ここに本作の功罪があるのですが、これはちょっとアクロバチックが過ぎて、殆ど狂人のような為体であります。

    このような鯱張ったものばかり書いていると、こちらはツッコミ待ちでも中々ツッコんでくれる方が現れず、独りで滑っているような空気になってしまうのが中々に歯痒いところではありましたが、この度の縹さんの御感想、正に「ナイスツッコミ!」といった感じでございました。
    ありがとうございます。

    それと、誤字のご指摘、誠にありがとう存じます。
    「辿々しいは筆致~」oops!
    衍字の類は駆逐したつもりでおりましたがまだこんなところに!
    油断なりませんね。。
    それと「陽褪せた」、こちらも判断の難しいところではありますが確かに誤字のようです。(よくお気付きになった!)

    ただ、他に挙げていただいた言葉は皆、時代錯誤で耳慣れしない言葉ではございますが、正しい日本語でございます。(分かりにくく恐縮です)

    以上になります。
    こちらこそ今後ともご厚誼のほどよろしくお願いいたしますm(__)m

    編集済
  • 美の造反者への応援コメント

    完結おめでとうございますッ!
    ついに、美を、損ねてしまったんですね……。
    ただの男の子に対する思いから、落ちて、堕ちて、そして最後に暗く笑う。
    引き込まれる文章から心の動きまで、ずっと物語にのめり込ませていただきました。

    素敵な作品をありがとうございましたッ! 今後とも応援しておりますー!
    ^ - ^

    作者からの返信

    沖田ねてる様

    返信が遅くなってしまい、まことに申し訳ございません。
    また、最後までお読みいただきありがとうございました。

    美という存在の真価は、それの損なわれるときにこそ発揮されるというのは、恐らく事実でございましょう。
    決して疵付かぬ美というものが有り得たとしても、その美の価値はあくまで物質的なものに留まり、我々の心にまで響いてくるようなものにはなり得ないと、そんなことを確信しているのでございます。

    今後ともよろしくお願いいたします。

  • 美の造反者への応援コメント

    完結おめでとうございます。
    この作品に相対すると自身の語彙力や表現力がいかにわずかばかりのものであったかということが思われ、この応援コメントを書くのに際してもなかなか勇気のいることでしたが、恥の押し売りには自信がありますので、書きます。

    一部はヘルメスの美しさが幻想的に表現されていたのが、二部に入ってその温度のあやふやな彫像に向かって、主人公の激烈な熱が散り、それが、作品の中で美麗さを保ったまま疾走感のあるやり方で表現されていました。ものすごく教養のない例えしか出来なくて申し訳ないですが、めちゃくちゃ色合いにこだわった作画と音楽のいいアニメーションを視ているような心地でした。
    富士山を舞台にした作品で有名な作家が言っておりましたが、人間とはすばらしかったり頼もしかったりするものと出会えた時に、思わず笑いが込み上げてくるそうです。私は1話からずっと圧倒され、笑いながら、お話を読ませてもらいました。あなたのこの作品に出会えて本当によかったです。

    ありがとうございました。
    これからも、応援しています。

    作者からの返信

    ニコラス様

    返信が遅れてしまい、まことに申し訳ございませんでした。

    そして、身に余るお褒めの御言葉、まことに恐縮でございます。
    ただ、これは屡々お話していることではありますが、ニコラスさんの書く小説の堅牢な文体に触れるたびに、私の方こそ己の書く文章の文体と呼ぶにはおよそ妥当しない脆弱さに忸怩たる思いにさせられているのでございます。

    『あなたのこの作品に出会えて本当によかったです』との御言葉、本当にうれしく思います。私も、良き作者であり読者でもあるニコラスさんと出会えて、本当によかったと感じております。

    私も一ファンとしてニコラスさんの創作を応援させていただきます。
    これからもよろしくお願いいたします。

  • 美の造反者への応援コメント

    理想と現実の間にある矛盾・対立構造を、ラストでいかなる形にされるのか非常に興味深く拝読いたしました。言うまでもなく、高い文章レベルと描写の緻密さには、毎回圧倒させられます。

    途中、芸術によって美を破壊しようとする試みは、女教師の闖入も相まって、ルサンチマンによって行われたものと推察いたしますが、坂本さんの美醜への感覚が研ぎ澄まされているからこそ行えた叛逆として、舌を巻くところでした。

    個人的に惹かれたのは、「単に想像力の補完による美の恢復というのでは、これは余りに浅薄な解釈であるように私には思われた」という一文。そして、「塑像に過ぎぬ私の人生」というフレーズ。――やはりそうなるのかと、シンパシーを感じずにはいられませんでした。とてもじゃないですが自分が言える立場にはないのですが、ニヒリズムとの戦いは本当に嫌になります。

    完結おめでとうございました!
    そして、お疲れ様でした!!!

    作者からの返信

    天秤様

    返信が遅くなってしまい誠に申し訳ございません。

    天秤さんの示してくださったさまざまな御解釈、正に慧眼と呼ぶほかありません。
    ヘルメスといえば、いはゆる解釈学(Hermeneutik)の語源にもなったギリシヤの(油断ならない)英雄の名ですが、拙作ヘルメスが、天秤さんはじめ多くの方の解釈を促す一助になったことは望外の喜びでございました。

    古い時代から、人類はニヒリズムとの対決の場を文学に求めてきました。私の場合も例外ではございません。
    私は勝利することができるでしょうか。。

    天秤さんからの御言葉、いつも励みにしておりました。
    今後とも変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願いいたします。


  • 編集済

    美の凋落への応援コメント

    時間を忘れる程、没頭して読ませていただきました。超然的に神格化されていたヘルメスが、芸術作品ではなく生きた人間であったことを理解した時の喪失感と或る種の全能感。それだけ、ヘルメスが理想とする『美』そのものだったのですね…。

    これ程に美しい日本語で書かれた御作品を読むことが出来て、幸せな一時でした。日本語は美しいですね。

    これからの活動も応援しております。
    素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました。

    作者からの返信

    mk*様

    いつもありがとうございます。
    過分なるお褒めの御言葉、恐縮でございます。

    私の書くものは、私自身の手によってというよりは、mk*さんはじめ優れた読者の方々によって、その価値を高めていただいているような、そんなことを考えている今日この頃でございます。

    そしてまた、mk*さんの優れた御解釈にも、拙文に新たな意義を付与していただいたような気がしており、本当にありがたく思っております。

    私の方こそ御高覧いただきありがとうございました。
    今後ともよろしくお願いいたします。

  • 美の倒錯への応援コメント

    これは美しい文学作品ですね。
    三島由紀夫さんの『金閣寺』を彷彿とさせます。
    続きもじっくりと拝読させていただきます。

    作者からの返信

    mk*様

    返信が遅れてしまい申し訳ございません。
    いつも拙作を御高覧いただき、感謝の念に絶えません。

    『金閣寺』は正に美の文学の「金字塔」ですね。
    その金字塔を想起していただいたということは、誠に光栄なことでございます。

    今後とも変わらぬご厚誼のほどよろしくお願いいたします。

  • 美の凋落への応援コメント

    自分の中で神格化していたヘルメスの理想像。それがバラバラと剥がれていく過程の描写が見事で、読了後にボーっとしてしまいました。

    崩れていく理想像を前にして溢れる倒錯した感情も、自己欺瞞を暴かれていく感じも、私自身の内面の醜い部分を突きつけられているようでドキリとします。そして、それこそが坂本文学の真髄という気がしてワクワクしちゃいます。

    難しいのに読みやすく、流れるような美しい文章。坂本さんの持ち味が遺憾なく発揮されている感じで、とても好きです。

    なんだかんだ、カクヨムの作者さんの中で一番好きな作家さんだなぁと再確認しました。

    作者からの返信

    釣舟草様

    こんにちは、坂本です。
    返信が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。

    今回もやはり、私の露悪趣味が出てきてしまったようで、人の心理をむやみに暴き出してみせようと虎視眈々としているこの文学的姿勢は、恐らくはそれ自体私の恥部の暴露なのでしょう。

    ただ、釣舟草さんのような良き読者に恵まれて、如上のような私の悪癖も、良い方向に解釈していただけているというのは正に望外の喜びでございます。

    「カクヨムの作者さんの中で一番好きな作家さんだなぁと再確認しました」
    そして、こんなにうれしいお言葉が他にありましょうか?
    釣舟草さんには本当に大きな恩がございます。今の私が、斯様な芸術上の悦びを享受できているのも、偏に釣舟草さんが私の世界を広げてくださったからに他なりません。

    多くの方との交流、そして何より、釣舟草さんの文学に出会えたこと、これらのことは私の人生の中で、まことに大きな出来事なのでございます。ほんの数か月前までは、自室で独り、誰にも読まれることもなく無為に書いているだけの私でございました。
    いったいどれだけの歓びが、釣舟草さんとの出会いの後に私に訪れただろうか......?

    ほんとうに、ほんとうにありがとうございました。
    そしてこれからも、どうぞよろしくお願いいたします。

  • 美の凋落への応援コメント

    第一部では、ヘルメスの美を称賛しつつ、しかしそれは私が赤見くんをヘルメスとして見ている(解釈している)が故の美ではないかという葛藤が描かれていました。しかし、偶像は偶像のまま。

    ここから物語はどうなっていくんだろうと思っていたんですが、第二部ではとうとう偶像が崩れていく。ヘルメスが剥がされて、裸の赤見くんになってしまった。

    坂本さんの問題意識もさることながら、展開の持って行き方に1つのサスペンスを見ているようで「うわぁ」と声を漏らしながら読んでいました。

    主人公の持つある種の欺瞞が暴かれるシーンは最高でした。

    作者からの返信

    天秤様

    こんにちは、坂本です。
    返信が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。

    いつもいつも、温かい励ましのお言葉をかけてくださり、本当にありがとうございます。

    本作は一部と二部とが丁度対立の構造となっており、天秤さんのご慧眼の通り、前者では美の成就を、後者ではそれの破局を書こうと企図して始めたお話になります。

    美について突き詰めていくと、どこかの時点でそれは挫けてしまう。さもなければ、虚無の遠に、永遠墜落していってしまう。このことは恐らく事実でありましょう。

    次回で最終回の予定です。
    いつ公開できるかまだ分かりませんが、気長にお待ちいただければ幸いです。

  • 美の凋落への応援コメント

    なんて独善的で、偏執的な。それでいて剥き出しの心なんでしょうか。あまりにも人間臭いというか……私ではこの身に受けたものを、上手く表現できませぬ……。
    (゜〜゜)

    作者からの返信

    沖田様

    こんにちは、坂本です。

    人の心を書くと、どうしても露悪的になり過ぎてしまう癖のある私ですが、そこにも一定の文学的な”効果”があるものだと、そう割り切って思うがままを書いている私なのでございます。
    その点、「剥き出しの心」と沖田さんに評して頂けたこと、誠に嬉しく思います。
    この度はお読みいただき、ありがとうございました。

  • 美の倒錯への応援コメント

    透明感あふれる綺麗な情景を、坂本さんらしい硬派で美しい文体で描いていらっしゃるなぁ……。冒頭を読みながらそう思いましたが、さらに中盤から本領を発揮されましたね。子供と大人の感覚が入り混じる繊細で怪しげな感情を、こんなに見事に表現できる作家さんはなかなかいないと感じます。非常に素晴らしくて、坂本文学に酔いしれてしまいます。次回も楽しみにお待ちしていますね。

    作者からの返信

    釣舟草さん

    こんにちは、坂本です。
    返信が遅くなってしまい、まことに申し訳ございませんでした。

    拙作にいつも励ましのコメントを寄せてくださり、本当に、有難く思っております。
    本作は、彫像と塑像というモティーフによって、いつもの私以上に、二項対立の図式をより強めて書こうと企図したものでございます。私のこの試みが、果たしてどのような結末をたどるのか、それが吉と出るのか凶と出るのか、今はまだ定かならぬところではありますが、今後もお付き合いいただけますと幸いです。

    この度はありがとうございました。
    そしてこれからも、よろしくお願いいたします。