完結おめでとうございますッ!
ついに、美を、損ねてしまったんですね……。
ただの男の子に対する思いから、落ちて、堕ちて、そして最後に暗く笑う。
引き込まれる文章から心の動きまで、ずっと物語にのめり込ませていただきました。
素敵な作品をありがとうございましたッ! 今後とも応援しておりますー!
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作者からの返信
沖田ねてる様
返信が遅くなってしまい、まことに申し訳ございません。
また、最後までお読みいただきありがとうございました。
美という存在の真価は、それの損なわれるときにこそ発揮されるというのは、恐らく事実でございましょう。
決して疵付かぬ美というものが有り得たとしても、その美の価値はあくまで物質的なものに留まり、我々の心にまで響いてくるようなものにはなり得ないと、そんなことを確信しているのでございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
完結おめでとうございます。
この作品に相対すると自身の語彙力や表現力がいかにわずかばかりのものであったかということが思われ、この応援コメントを書くのに際してもなかなか勇気のいることでしたが、恥の押し売りには自信がありますので、書きます。
一部はヘルメスの美しさが幻想的に表現されていたのが、二部に入ってその温度のあやふやな彫像に向かって、主人公の激烈な熱が散り、それが、作品の中で美麗さを保ったまま疾走感のあるやり方で表現されていました。ものすごく教養のない例えしか出来なくて申し訳ないですが、めちゃくちゃ色合いにこだわった作画と音楽のいいアニメーションを視ているような心地でした。
富士山を舞台にした作品で有名な作家が言っておりましたが、人間とはすばらしかったり頼もしかったりするものと出会えた時に、思わず笑いが込み上げてくるそうです。私は1話からずっと圧倒され、笑いながら、お話を読ませてもらいました。あなたのこの作品に出会えて本当によかったです。
ありがとうございました。
これからも、応援しています。
作者からの返信
ニコラス様
返信が遅れてしまい、まことに申し訳ございませんでした。
そして、身に余るお褒めの御言葉、まことに恐縮でございます。
ただ、これは屡々お話していることではありますが、ニコラスさんの書く小説の堅牢な文体に触れるたびに、私の方こそ己の書く文章の文体と呼ぶにはおよそ妥当しない脆弱さに忸怩たる思いにさせられているのでございます。
『あなたのこの作品に出会えて本当によかったです』との御言葉、本当にうれしく思います。私も、良き作者であり読者でもあるニコラスさんと出会えて、本当によかったと感じております。
私も一ファンとしてニコラスさんの創作を応援させていただきます。
これからもよろしくお願いいたします。
理想と現実の間にある矛盾・対立構造を、ラストでいかなる形にされるのか非常に興味深く拝読いたしました。言うまでもなく、高い文章レベルと描写の緻密さには、毎回圧倒させられます。
途中、芸術によって美を破壊しようとする試みは、女教師の闖入も相まって、ルサンチマンによって行われたものと推察いたしますが、坂本さんの美醜への感覚が研ぎ澄まされているからこそ行えた叛逆として、舌を巻くところでした。
個人的に惹かれたのは、「単に想像力の補完による美の恢復というのでは、これは余りに浅薄な解釈であるように私には思われた」という一文。そして、「塑像に過ぎぬ私の人生」というフレーズ。――やはりそうなるのかと、シンパシーを感じずにはいられませんでした。とてもじゃないですが自分が言える立場にはないのですが、ニヒリズムとの戦いは本当に嫌になります。
完結おめでとうございました!
そして、お疲れ様でした!!!
作者からの返信
天秤様
返信が遅くなってしまい誠に申し訳ございません。
天秤さんの示してくださったさまざまな御解釈、正に慧眼と呼ぶほかありません。
ヘルメスといえば、いはゆる解釈学(Hermeneutik)の語源にもなったギリシヤの(油断ならない)英雄の名ですが、拙作ヘルメスが、天秤さんはじめ多くの方の解釈を促す一助になったことは望外の喜びでございました。
古い時代から、人類はニヒリズムとの対決の場を文学に求めてきました。私の場合も例外ではございません。
私は勝利することができるでしょうか。。
天秤さんからの御言葉、いつも励みにしておりました。
今後とも変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願いいたします。
こんにちは。お世話になっております、縹です。ご作品、最後まで読ませて頂きました。
いやあ、笑った笑った。最初、主人公君がヘルメス君の姿とヘルメス像とを重ね合わせたとか何とか言い出した時点で嫌な予感はしていましたが、「美の凋落」にてヘルメス君に女の子が話しかけた直後に主人公君が「斬首だ」とか(心の中で)言い出した瞬間にね、もうね、飲んでいたお茶を噴き出しました。
ヘルメス君の破顔を目にした主人公君が憎悪を膨らませていく様に、「気持ちは分からんでもないけど、そこにいるのは酔いしれるような美を湛える彫刻ではなくただの人間なんだから、そりゃ笑いもするだろうさ」と一頻り笑っておりました。
まあ、そこら辺の主人公君の意識の変化も含めて「塑造」なんでしょうね、きっと。最後の主人公による(ほぼ一方的な)意趣返しも「梶井基次郎の檸檬のオチみたいだな」と思いつつ、ニヤニヤしながら読んでおりました。
……うん、やはり私は芸術に対する感性が薄いようですな。
さて、ここで誤字報告をば。
美の凋落
「かるが故に美とは孤独である」→「然かるが」?
「書かれた文章の辿々しいは筆致と〜」→「辿々しい筆致」
「それとは不相応な、譬しへも無く」→「譬(たと)へも無く」?
「この言おうようもない充実感」→「言いようもない」?
美の造反者
「陽褪せた橙色のカーテンを」→「陽褪せした」?
誤字報告は以上となります。他に見落としている可能性もあるので、今一度ご自身の目でお確かめ下さい。
☆評価を入れさせて頂きました。これからのご活躍、心より応援しております。素敵な作品、ありがとうございました!
作者からの返信
縹様
御高覧賜り誠に光栄です。
縹さんらしいご感想、大変楽しく拝読いたしました。
拙作ヘルメスは、解釈学(Hermeneutik)の語源たるギリシヤ神ヘルメスの名を借りて、その「解釈的美」の誇大表現にばかりに終始した結果、それが突き抜けて、終いには何やら面白いことになってしまったトンデモ小説でございます。
知的なものの構築を目指しているようでありながら、観念語の多用の為に論理は空転し、構築など儘ならぬ混沌の中で、美諸共崩壊してしまった。ここに本作の功罪があるのですが、これはちょっとアクロバチックが過ぎて、殆ど狂人のような為体であります。
このような鯱張ったものばかり書いていると、こちらはツッコミ待ちでも中々ツッコんでくれる方が現れず、独りで滑っているような空気になってしまうのが中々に歯痒いところではありましたが、この度の縹さんの御感想、正に「ナイスツッコミ!」といった感じでございました。
ありがとうございます。
それと、誤字のご指摘、誠にありがとう存じます。
「辿々しいは筆致~」oops!
衍字の類は駆逐したつもりでおりましたがまだこんなところに!
油断なりませんね。。
それと「陽褪せた」、こちらも判断の難しいところではありますが確かに誤字のようです。(よくお気付きになった!)
ただ、他に挙げていただいた言葉は皆、時代錯誤で耳慣れしない言葉ではございますが、正しい日本語でございます。(分かりにくく恐縮です)
以上になります。
こちらこそ今後ともご厚誼のほどよろしくお願いいたしますm(__)m