第2話 逃げられない
「ではまず、さっき黒猫が持ってきたカードを誰か一人がシャッフルして皆さん一枚ずつ引いてください」
とMr.ウルフから指示があった。
人狼ゲームのルールをみんな知っているため、指示に従わなければ殺されるのという恐怖に襲われ、一人ずつ恐る恐るカードを引いた。
「皆さんカードを引きましたね。そのカードは自分以外のメンバーの人には決して見せないようにしてください。」
そう指示され、みんなは自分の役職だけを確認し、カードを裏返しにした。
「それでは自分の役職を確認したところで、みなさん伏せてください。そして私が名前を呼んだ人から順に、iPadにカードを写してください。」
そう指示され、全員Mr.ウルフの言う通りに顔を伏せた。
「それではまず、長久保さん」
すると蓮斗がカードを見せに行く音が聞こえた。
「次に島田さん………」と次々に呼ばれていく。
私は待っている間、何故Mr.ウルフは私たちの名前を知っているのか疑問に思っていると、
「最後に田代さんこちらへ見せに来てください。」
私は顔を上げiPadに私のカードを見せた。
(私は霊媒師だ、、人狼じゃなくて良かった…)と心の中でほっとしていると確認が終わったらしく、
「それでは皆さん目を開けて下さい。」と
Mr.ウルフが言い、みんな目を開けた。
「それではそろそろリアル人狼が始まります。皆さん頑張ってくださいね」
と言う言葉だけ残し、iPadの画面は切れた。
しばらく沈黙が続いていた。
すると突然上から黒い封筒が落ちてきた。
私はその不気味な封筒を拾った。
その封筒を開けると、1枚の手紙がでてきた。
「なんて書いてあるの?」
優華が言うので、不気味に思いながらも、
私はみんなに聞こえるように読んだ。
「今から1時間話し合いをしてもらいます。誰を死刑するかをこの1時間で話し合って決めてください。なお、延長できるのは1時間です。それ以上過ぎると全員死刑ですので時間以内に誰を死刑するのかをよーく考えて決めてくださいね。それではスタートです。
Mr.ウルフより。」
……。
私が読み終わった後、10分ほど沈黙が続いた。するといきなり
「こんなお遊びはもう終わりだ!!俺は近いうちに大切な野球の試合があるんだ!!だから早く出せ!!!」
と陸がいきなり暴れだし、頑丈なドア方へ走って行った。
すると、「ベシャッ……」と言う音がドアのある方から聞こえた。
何があったのか菜花がドアの方へ確認しに行った。
「きゃぁぁぁぁぁ!!!!」
叫び声が聞こえた。みんなドアの方へ行くと菜花が床へ、へたりこんでいた。
ドアの方を見てみるとあちらこちらに臓器が飛び散っていた。
「いやぁぁぁぁ!!!陸!!陸ぅ!!!」
と結香が泣き叫んだ。二人はつい最近付き合い始めていたらしい…。
「とりあえずリビングへ戻って話し合いをしないと、、」と斗真がみんなに言った。
みんなリビングへ戻り、優が結香を慰めながら話し合いが始まった。
リアル人狼。 すらいむ。 @xxx_slime
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