エピローグ

心穏やかな、静寂の月夜。

こんな日は友の流した苦しみの雫が胸をよぎる。


「カラ、おいで」


名を呼ばれた小さな子どもは、物騒な剣を引きずったまま外套の中へするりと潜り込む。

やはり腹の上が心地よいのか、最近ではここが彼の定位置だ。


「俺はすっかりカラの枕兼、座椅子だな」


膝に座る子の頭を撫でてやると、カラは体重を預け月を見上げた。

それはまるで空に還りたがっているようで。


探しに行こう。

君が眠れる、寧静ねいせいの地を。


脆弱で儚い君の命は、塗りつぶされた地上の闇に浮かぶアスタリスク小さな星

それでも今を生きる二人を導く、微かな希望の光なのだ。







       ー 『アスタリスク』END ー



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アスタリスク うづき あお @A-Uduki

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