第3話 駅のホームは恋とピンチと大チャンス

僕の前には 矢島 優美 そして僕の後ろには 保健室のおじさん。

そう、僕には思いもよらない今世紀最大のピンチとチャンスが今訪れている。

「さぁ、どうする俺!ぼーっとしていては電車が来てしまう!いや、保健室のおじさんが来てしまう!」

ここから 保健室のおじさん VS俺 の熱い戦いは始まった。

まず 保健室のおじさんが【近ずいてくる】というシンプルイズベストな攻撃を仕掛けてくる。

それに対して僕も「相手が攻撃ならこっちは守備!」ということで隠れる場所を探す。

「いや、まてよ、もし隠れてる姿なんか見られたらただの不審者だ。」

しかし、おじさんの【近ずいてくる】は止められない。

とっさの判断で僕は結局僕は自動販売機の裏に隠れた。もし、こんな姿を見られたら、なんて思っていると、「カタ…カタ…」と足音が聞こえてくる。

もしこんな姿が見つかればマンモス校のダイオウイカからマンモス校の不審者ダイオウイカになってしまう。

「お願いだ!おじさん来ないでくれ!」と願っていると願いは叶った、いや、叶わなかった。

おじさんは来なかったが目の前には…なんと 矢島 優美 がいた。

ぱっと目が合う。僕はあの時どんな姿をしていただろうか。

片手にカバンを持ち自動販売機と壁の細いすき間に入るために両手を上げつま先立ちをし、しまいには「来ないでくれ!」と願ったせいで顔にはすごく力が入っていた。

その姿は「マンモス校の不審者ダイオウイカ」というより、「マンモス校の不審者スルメイカ」だ。

すごい気まずさの中「こんにちは」と声をかける僕。その姿に大爆笑をされた。

「大丈夫?(笑)」と聞いてくる矢島 優美

「はい、だ、だ、ダイオウイカ」と答えてしまう僕

どうやら緊張するとた行のボキャブラリーはダイオウイカしかないらしい。

案の定大爆笑をされた。

ここで緊張のあまり僕の意識が遠のいていく。

すると緊急事態が起こる。

「君 安峰 ダイオウイカくんだよね、一人で帰るの?」と聞いてくる 矢島 優美

「ま、まさかこれは一緒に帰るパターンじゃないか!ん?、安峰ダイオウイカ?!」とにやけずらと絶望感がが止まらない 安峰 ダイオウイカ。

ここで勇気をだして「はい!一人です!」と目を煌めかせながら言う。

すると「私も一人だから一緒に帰らない?」と上目遣いで聞いてくる。

その可愛さに僕はもう倒れそうだ。

しかーし!ここでなんと「早く行くよ!」と手を引いてきた。

もうこれに関しては興奮と心拍数が上がるのは不可避。

たとえ友達だろうが異性に手を引かれてはもう鼻血が出そうになるくらい興奮してしまうのは仕方ないことだ。

僕のテンションは上がっていき心の中では「 安峰 ダイオウイカ 電車に搭乗いたしまーす!」などと盛り上がっていた。

しかし、足を一歩踏み入れた時だ。目の前にいるのは手を引いてくれる 矢島 優美、 電車の椅子に座る 保健室のおじさん、何故か二歩目が電車に入ろうとしない。まるでホームと足が一体化してしまったように。

また今世紀最大のピンチとチャンスが訪れてしまった。


この先どうなってしまうのかは次の話え続く。




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君と生きた、僕の忘れることの出来ないこの1年間 白鯨 @Whale1

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