第2話 マンモス校の保健室は…
どれほどの時間が経ったのだろう、気がつくと僕はベッドの上にいた。
「ここは…?」
どこか分からない不安とともに何故か息が苦しい。よく見てみると鼻に綿棒が詰まっている。それのおかげでもう大パニックだ。そんな中誰かの声が聞こえてきた。
「あら…起きたのね…良かった…♡」
ベッドからおりようとした瞬間自分のカバンがベッドの横に置いてあり、周りを見渡してここが保健室であることを悟った。
「まだゆっくりしてて大丈夫よ…♡」
また声が聞こえた、しかもとてつもなく甘い声だ。その甘すぎる声、そしてこの声はどこかで聞いたことがある。でも、ベッドの周りに囲っていたカーテンで何も見えない。そう思った瞬間にこの甘い声の主は誰かという脳内での考察が始まった。
「う〜ん、この声の主の第一候補はやっぱり保健室の先生だろう、それもとてつもなく可愛い…。ナンツッテ(笑)」
なんていうことを考えているとふと頭の中をあることがよぎる。
「も、もしかして…矢島 優美 …?も、もしそんなことが…いや、そんなことがあるわけない。でも、もしかしたら…ついに僕にもそんなことが…」
なんて言うことを考えているともう我慢ができず「うひょーー!!」と言いながらベッドに飛び込んでしまった。ついでにその瞬間鼻に刺さっていた綿棒がミサイルのように飛んだ。そして鼻血がでてきた。その姿はロケットの打ち上げを連想させた。
「ティッシュ…ティッシュください…」
と言いながら僕はベッドを立とうとした時事件は起きた。しかも今世紀最大級だ。
「大丈夫?」と言いながら保健室の先生、いや、矢島 優美 らしき人が近づいてきたのだ。そして自分のベッドを囲っていたカーテンをサッとあける。
するとそこには…。
なんと僕の想像とはかけ離れていたあの声からは想像のつかないなかなかいい歳をした少してっぺんからハゲ進行中のおじさんが立っていた。驚きすぎてその時何を思ったのか、
「いい声してますね…」と言ってしまった。
するとそのおじさんが「あらヤダ〜♡」と言った。
そのおじさんからその言葉を聞いた瞬間脳内で矢島 優美 を想像していたのをものすごく後悔した。そして今後保健室に行かないことを固く誓った。
保健室の先生らしきおじさんと全く話したくなかった。でも最後に、なぜここに来たのか、なぜ綿棒が鼻に刺さっていたのか、それだけは聞きたかった。
勇気をだして聞いてみた。するとおじさんが…
「綿棒のことなんだけど…ティッシュがなかったからティッシュのか・わ・り♡」と言ってきた。
その瞬間僕は今後保健室に行かないことを神に誓った。
しかも、なぜティッシュがないんだ。本当にこのリアルマンモス校はどうかしている。
そして一番の謎だったここになぜ来たのかと聞いてみると。
「話している時に君鼻血出しながら倒れちゃったみたい♡だから女の子がおんぶしてきてくれたのよ♡」と言ってくれた。
もうその話を聞いた時の自分には嬉しさと目の前のおじさんに対する恐怖しかなかった。
喜びのあまり小さくガッツポーズをかました。
そして僕はルンルンで家に帰ろうとした。
僕は電車で通学をしているので駅に向かった。
するとそこには信じられない光景が広がっていた。なんと 矢島 優美 がホームに立っていた。
「おいおい嘘だろ?!ま、まさか同じ駅で降りたりして…」なんて興奮をしていると…。
改札からピッと音がなりどこからどう見てもさっきの保健室にいたおじさんがこっちへ向かってくる。
「おいおい嘘だろ?!く、来るんじゃね!!」と心の中で叫んだ。
ここから一世一代の大勝負が始まる…。
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