第14話 ヴィンクルム

爺さんに渡された紙にはこう書いてある。


〈もしアンタが、白銀の黒騎士ぬらギルド:ヴィンクルムく来い。〉


字が読みずらいが、そんなことが書かれている。この国の識字率は、54%らしい。まだまだ識字率が低い。まあ、合併して作られた国だからかブリンク王国は。それぞれの種族が交流する時だけ、公用語である。ブリンク語を、使うのだ。まあ、鬼人族オーガ以外は、どの言語以外も対応していたんだけどね。ソラナキ語使用者からは難しいとよく聞く。


「これは?」「これはこの街の知り合いがやってるギルド ヴィンクルムだよ。」


俺が爺さんに尋ねると、爺さんは、微笑んで答えてくれた。


この爺さんどっかで見たような。


「あ、あなた様は、王国専属魔術師団マジェニティスの…」

「そんなのは昔の事じゃ。」

「いやしかし…」

「そんなことよりお昼にしよう。」

「…」


物凄く権威のある爺さん。そうこの人は、


「はーい、オムレツっと…お父さんとソラは、昨日の暴れ牛のステーキね。」


レアさんが食事を運んできた。

とても美味しそうなオムレツ。というか暴れ牛って?この家はマジで想像がつかない。


「「「いただきます。」」」


やはり、王国専属魔術師団マジェニティス魔術王マジカ・カイザーだよな。


オムレツは、とても美味しかった。


「ありがとうこざいます。」

「いや、お代は払ってもらうからn」「ソラ!」「いや、なんでもない。」


ソラさんとレアさんが、言い合い?というか一方通行で、レアさんの勝ちじゃね。


「ギルド報酬で払」「ソラ!」「う…うん」


やっぱりね。尻に敷かれてるわ、ありゃ。


『団長やって欲しいこと22位くらいかなぁと思っているの筒抜けだぞ。』

「うわぁ!」「「ん?」」


ソラさんとレアさんがこっちを見ている。


(やめろや、驚くやろ。)

『…すまぬ。』


心の中の会話、いつも思うが気持ちが悪い。そう思いながら店を出た。


ギルドの建物は、灰色のレンガで出来ており、窓のカーテンが閉まっていても大勢の人がいるのが分かる。

「ここがヴィンクルムか。」「んじゃ早く入るぞ」

そんな会話をしていると、横から屈強な男が話しかけてきた。


「どうした兄ちゃん、この先屈強な野郎共が待ち受けてる!が、子連れは遠慮しとくぜ。」「いや、我輩は、子どもじゃないぞ!」


ゼータと男がわちゃわちゃ揉めている。


「通せ。その子どもは、最強じゃ。」「え?でも、師匠ほどじゃないですよきっと。」「まあ、こっちの若もんは、そんなことないが、精神の強さは無限の可能性がある。」


わかりゃした、と言って男はドアを開けた。底には、木の枠でできたカウンターと休憩所だろうかラウンジになっていて、酒を飲む男どもが多かった。


「「「師匠、お疲れ様です!」」」


だが一斉に、こっちを見て、笑顔と大声で、老人に感謝している。


「こっちじゃ。」


そうしていつの間にかカウンターにいた老人が光る。いや、光を反射してるのだ。


「カウンターにお越しください。」


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エンゲージ・ユグドラシル 理想論者 @cometeor0125

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