鬼の家政フさんがいる!

千歳千歩

プロローグ

 むかしむかし、この世界には、人間が住まう人ヶ島と、鬼が住まう鬼ヶ島がおりました。人ヶ島は複数散らばっており、鬼ヶ島はその島々を囲っておりました。

 鬼は人間と比べて雄雌問わず筋骨隆々。鬼は度々人ヶ島へ行き、圧倒的な力で人間から金品や食料を奪っていきました。稀に、人間の生娘を連れ去る事もありました。

 それに見兼ねた人間は、とうとう鬼に戦を持ちかけました。これ以上好きにさせてたまるかと、躍起になっていました。

 しかし、戦は毎度鬼の圧勝。人間は千年にも渡って、鬼との戦に苦しめられてきました。


 しかし時は二十世紀前期のある年。

 遂に人間は、初めて鬼との戦争に勝ったのです。それは、長年の激戦地、「日本」での第一〇三次人鬼間戦争での事でした。

 「日本」は鬼の血を使った最新技術で「鵺」という生物兵器を作り出し、人間の勝利へと導きました。

 その後、人間と鬼は和解し、現代では人と鬼の世が日々築かれています。しかし、差別や偏見など、人間と鬼の間にはまだわだかまりがあります。

人間と鬼が真に和解する日が来るのは一体いつなのでしょうか…。

 

 先程、「鵺」のお陰で終戦したと言いましたが、「日本」が戦に勝った要因はもう一つあります。

 第一〇三次人鬼間戦争で自ら第一線に立ち、無双した日本陸軍大将であり、現在「日本」の真の頂点-。

 

 初代兼現当主、川村桃太郎。


 この男がいたから、と言えるでしょう。

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