第2話 by亮介
今日から中学生。長かった小学校生活がやっと終わった。新品の制服を着た俺は、由紀乃を迎えに家へと向かった。
インターホンを押して少し待っているとドタドタ、音が聞こえた。
ガチャ!
「おはよ!制服似合ってるね!」
ん?今なんて言った?『制服似合ってるね。』えっ。まじで!?初めてそんな事言われたんだけど…。あっそっか。今まで、私服だったからか。
そんな事を考えていると、
「あっやばっ!早く行こうよ!入学式遅れちゃう!!」
「おい、ちょっと待てって。転ぶぞ。」
言ってはみたものの、俺の声は由紀乃に、届いてはいなかった。
*
中学校に着くと、由紀乃が首を長くして待っていた。
「わりい。ちょっと、男友達と話してたら遅くなった。」
「もう、何してるのよ。すごい待ったじゃない。まぁ、まだクラス発表されてないかいいけどさ。気を付けてよね。」
怒った由紀乃、めっちゃ可愛い♡♡早く、俺のこと好きにならないかなぁ。なんて思ってるとクラスが発表された。
由紀乃は、っと。2組だ。俺も2組がいいなぁって思ってたのに、2組の名簿を何回見ても自分の名前は無かった。
「嘘だろ…。まじか…。」
つい、言葉に出てしまった。今まで由紀乃と、クラスが離れることが1度も無かった俺にとっては、最悪の出来事だった。
「どした?クラス離れるのそんなに嫌だった?私いなくても大丈夫だって!」
由紀乃は俺を励まそうとしてくれているのが、十分わかった。しかし、とてもそんな気にはなれなかった。
「由紀。お前そんなこと思ってたんだ。もう俺がいなくても大丈夫なんだな。安心したよ。」
やっちゃった。俺が由紀乃に強く当たってしまった。由紀乃が好きすぎるあまり、たまに強く当たってしまうことは自分でもわかってたのに。
だって、初恋の相手だったから。
まずは、自分の心を落ち着かせようと思い、由紀乃のそばを離れようと背中を向けたそのとき!
『〇〇中学新入生の人はクラスごとに並んでくださいー!』
と、係の人から集合の声がかかった。
俺は由紀乃に声もかけず、集合場所に静かに向かった。
由紀乃が一番ショックを受けていることも知らずに…。
ー次話に続くー
この恋が叶うなら ハッピーバースデー🎂 @koisuruotome
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