会社よ、永遠に
駅前のファミレスへ向かい、入店。
「ねぇ、知ってる賢さん」
「なんだ、菜枝」
「最近のファミレスって『ライン』で注文できるんだよ!」
「へえ、そりゃ便利だな」
テーブルに座るとメニューがなかった。タブレットかなと思ったけど、それもなくて、テーブルにデカデカと表示されている『QRコード』を読み込み『ライン』で注文するというシステムだった。なんだか最先端だなあ。
ライン登録を済ませると、確かに【メニュー】があった。
「これは便利ね~」
スマホを手に持ち、感心する璃香。
へぇ、あの璃香でもこれは初めての経験らしい。一方、栖胡は気まずそうな顔をしていた。なぜにそんな微妙な顔をしているんだか。
「どうした、栖胡」
「じ、実は……この『ライン』で注文するシステムは、わたしが作ったんです。まさかこんな身近な場所で使われているとは思わなくて……」
「へ、マジィ!?」
「はい。プログラムのコンテストで優勝したんです。その時のものですね」
マジかよ。すげえな、栖胡。やっぱり元アイドルの天才プログラマーなだけある。尊敬さえしちゃうな。自分の作った物が世の中に出て、人の役に立つとか――もうそれだけで雲の上の人だ。
俺はそんな天才少女と共に仕事ができるわけだ。なんて幸せ者。
スマホの画面をタップして、メニューを選んでいく。カレーやピラフ、ペペロンチーノにオムライス、ハンバーグなどなど様々なメニューが選択できた。
話し合いの結果、ドリンクバーを付けた。+200円っと。俺はカレーを選択。璃香はハンバーグを。菜枝はオムライス。栖胡はピザとなった。
「なあ、栖胡。なんでピザ? 好きなのか?」
「はいっ! ピザは大好きなんです。高カロリーなので、ちょっと気にしちゃうんですけども……でも、美味しいものは美味しいんです!」
めっちゃテンション高ぇ。
でも、ハッカーとかはピザを食っているイメージあるし、ぴったりかも。……とはいえ、栖胡はそっちではないしな。あくまで俺の勝手なイメージだが。
それから、さくっとラインで注文を済ませた。そして――ニ十分後。本当に料理が出て来て、テーブルに並べられた。
「賢さん、本当に注文できたねっ」
菜枝がウィンクして俺を見た。
これがテクノロジーの進歩ってヤツかぁ。世の中はどんどん便利なってきている。
今やドローンや
これからMMORPG開発を進めるうえでは、必要な技術になってくるだろう。そんな事を考えながら、食事を進めた――。
◆
会社へ戻り、最上階。社長室。
俺と璃香は二人きりだった。
菜枝は自室へ。
栖胡は実家へ帰った。
「賢……いえ、社長。これからも頑張りましょうね」
「ああ。まだゲーム開発の第一歩を歩んだばかり。幸い、借金ゼロでスタートしているから、璃香には感謝しかない」
「いいの、あたしは賢の夢を追いかけたいから」
「ありがとう、璃香。ずっと俺の『秘書』でいて欲しい」
俺がそう言葉にすると、璃香は泣きそうな表情で微笑んだ。
「もちろんよ。社長を支えるのが秘書の役目だからね」
社長椅子に座っている俺の
「璃香……」
「賢、これがあたしの気持ち」
唇が重なった。
ゆっくりと丁寧に。
俺も素直な気持ちになって、璃香を求め続けた――。
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突然ですが【完結】とさせて頂きます。
応援、大変嬉しかったです。★100を超えられたことは誇りに思います。皆様のおかげです。本当に本当にありがとうございました。
また次回のラブコメも応援していただけると幸いです。異世界ラブコメを予定しています。
また気が向いたら続きをやるかもしれません。その時は『近況ノート』で告知いたします。チェックしていただけたら幸いです。又、応援いただけると再開が早まるかもしれません! 続きが読みたいという方は★などを入れて下さると幸いです。
【新作】
JK義妹と旅するえっちな車中泊生活
隣の席のギャルが俺の秘書になってくれた件 桜井正宗 @hana6hana
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