最強の警備員
小島がまたも襲ってきた。
今度は手に『ブロック塀』を持って、殴りかかってきた。まてまて、そんなモンどこから拾ってきた!!
そんなので強打されたら死ぬ。
俺は必死に回避して璃香達を守った。
「――小島、お前! まだ栖胡を諦められないのか! てか、どうやって留置所から出てきた!」
「ウチは金持ちでね。多額の保釈金を払って貰ったんだよ」
そうか、その手が……だけど、こんな事をすれば、その保釈金もパーだろうに。再逮捕されたいのか、この馬鹿野郎は!
「もうこんな事は止めろ」
「それは無理だ。お前を殺して、和泉を俺の女にする! お前の目の前で裸にひん剥いて犯してやるよ!!」
ゲラゲラと邪悪に笑う小島。……ダメだ、コイツ。完全にイカれてやがる。
「賢、小島はあたしがぶっ飛ばすわ」
「璃香……いや、ヤツはブロック塀を武器にしているし、危険だぞ! お前に万が一があったら、俺は一生後悔する」
「す、賢……たまにカッコいいね」
「たまには余計だっ!」
少しはカッコ付けさせてくれよと、思ったが――しかし、これは死の臭いしかしない。このままでは俺は小島に撲殺される。うわ、嫌すぎる!
構えていると、小島はブロック塀を投げて来やがった。
「死ねええええ!!」
「うわっ!!!」
「ゴラァあああああ!!」
「う、うああああぁぁ……」
小島は呆気なく捕らえられてしまった。警備員は基本、逮捕権を持たないが『現行犯逮捕』なら可能だ。この場合は、器物破損だ! 一応、殺人未遂でもあるけどな!!
「天満さん、凄いな」
「賢、天満さんは剣道、柔道、空手、合気道に中国拳法の太極拳とか、テンコドー、カポエイラ、ボクシングにプロレスなど様々な武道や格闘技に精通しているのよ。ちなみに、軍隊や特殊部隊にも所属していたみたい」
何者だよ!!
通りでスネェクな渋いおっさんな顔立ちをしているわけだ。あの人単体で国を滅ぼせそうだな。
とにかく、小島は呆気ないほどアッサリ捕らえられ――しかも、なぜかブロック塀を拾い上げていたようで、天満さんは手で握り潰した。ブロック塀が『ドゴォッ!』と音がするくらい粉々に破壊されていた。……こえぇ。
「なあ、璃香。天満さん強すぎね!?」
「まあね。あたしのキックも天満さんから教わったものだし」
そういうことねー!!
この前、璃香が小島を蹴り飛ばしたのも、天満さんが訓練したからか。そりゃギャルの璃香でも強くなるわけだよ。マジで何者だよ。
結局、小島は駆けつけた警察官によって再逮捕され、パトカーに乗せられ――連行されて行った。これでもう保釈金もクソもない。もう出てこれないだろう。
さらば小島、もう二度と現れないでくれ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます