爆乳のシスターさん
そこに現れたのは
「なんでコスプレしてんだ?」
「あ、あはは……」
笑って誤魔化されてもなぁ。にしても、スカートのスリットの隙間からむっちむっちのフトモモが大胆に露出していらっしゃる。脚から順に上半身を観察していく。
なんかピチピチの衣装で胸の強調も凄いな。てか、爆乳すぎだろ!
「コミケでも行くのか。時期ではないけどな」
「違いますよ~。ファントムオンラインのプリーストちゃんです!」
「ああ、そういえばそうだ。でも、栖胡は剣士だろう」
「プリーストちゃんは衣装可愛いんです。だから、友達からレンタルしちゃったんです……!」
そういう事か。わざわざ雰囲気を出す為(?)にコスプレしてきたらしい。真面目か!
「そりゃ、俺としては嬉しいけど、ここ会社だし」
「そ、そうですよね……」
肩を落とす栖胡。なんだかこれでは、俺が悪者みたいで嫌だ。まあいいか、コスプレOKにしよう。目の保養にもなるし。
「分かった。コスプレを許可する。そういう形から入るスタイルは好きだし」
「ほ、本当ですか!」
「ああ、構わないよ」
「ありがとうございますっ」
にこっと栖胡は笑い、俺はついついドキッとしてしまった。その傍で璃香は俺をじっと見つめていたが。
「……コスプレか。やるわね」
なんか悔しそうに爪を噛む璃香。
こりゃ、璃香も何かコスプレしそうだな。
◆
ファントムオンラインのゲームプレイが続く。半日遊び、ゲーム下手の菜枝もようやくまともに動けるようになり、初期に比べればマシなレベルになった。
ついに転職も果たし、忍者になっていた。……なぜに!
「言っておくが、菜枝。忍者は上級者向けだぞ?」
「だ、だってやりたかったんだもん!」
「そ、そか。止めはしないけどな」
――さて、そろそろゲームはこれくらいにしておくか。
「昼がちょっと過ぎちゃったけど、昼飯にしよう」
俺がそう提案すると、みんな期待の眼差しを向けてきた。
「そ、外で何か食うか」
「「「さんせー!!!」」」
金銭的な意味で、外食はできれば控えたかったのだが……。ええい、今日は俺の奢りだ! みんなでワイワイやるのも楽しいだろうしな。
エレベーターで一階へ向かい、ビルを出た。外はまだ青空で、清々しい風が吹き抜ける。日曜だというのにビジネスマンの往来も多く、買い物客も多く歩いていた。世間は日常で平和そのものだった。
「どこへ食べに行こうかなー」
――と、思考を巡らせている時だった。
ビルの物陰から怪しい人影が現れ……
……俺を狙った。
「東雲、死ねえええええええええええええええッ!!!」
「お、お前は……小島!!」
うそだろ……捕まったんじゃなかったのかよ!!
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