第6話 崩れ
久しぶりに、品川美香からのメールがきた。
眠い目を擦りながらも、久しぶりのやりとりが嬉しく、忙しい合間を見て、電話をかけてみた。
美香「やほー、大変?番組」
「そうだねーやっぱ、制作はきつい」
「だよねー、そういえば…」
美香が、急に話を変えた。
「いや、久保田から聞いたんだけど、徹の話、聞いた?」
「いや、何も」
「あ、そうなんだ。。あれ?メールやりとりしてない?」
「もう、卒業して、1年経つけど、送っても返って来なかった」
「あ、そうなんだ」
「どした?」
「いや、徹、結婚したらしい」
衝撃が走った。
その後の美香の話は一切聴こえなく、2時間睡眠の寝不足の私でも目が覚めた。
それから、月日が経ち、美香に久しぶりに会った時、詳しく聞くと、どうやら、高校時代の時に好きだった女性と再開し、一か八か告白して、まさかのできちゃった結婚という内容だった。
昔、徹とランチしていた時、その高校時代の女性の話も聞いてた。ただ、できちゃった結婚とは、想像を絶する内容だったが、それ以上にまだ徹が好きだった私は、あの河口湖のほとりで約束した話がなくなったことが、唯一の望みだったロープをバッサリ切られたようにショックだった。
➖2003年冬➖
徹「今は、里中とは付き合えないけど、もしお互い30歳まで独身だったら、結婚しよう」
なんだったんだ。
「くそがっ…」
口の中で唱え、私は缶ビール片手に、タバコを吸い、涙が出ないように、空を見上げて、暗闇に光る星が滲んでみえなくなるくらい仰いだ。
踏まれ続けた花 3.2.1 @mitsuxile714
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