最終話 私たちは今後
あの人は女の子ではなくて、女の子であった。
心とか体とか性別とか私にはどうでもよかった。
ただ、あの人が巷でいう普通、だったら
私のことを恋愛的な対象としてみてくれていたのであろうか
もし、心と体の性別が一致していたら、
私のことをもっとそういう対象として考えてみてはくれたのだろうか
もし、私が男だったら
あの人とどうにかなる未来があったのであろうか
「男の人しか恋愛対象にならない」
何度も聞いたセリフだった
そんなこと、知っていた
もしかしたら仲良くなった先にもっと違った関係性があるのかもしれないと
いつからか期待していたのだ
無意味な期待だと何度も思い返した
自分のことをコントロールできたのだったら
この感情は強制終了していたよ
今後も私たちは友達として仲良くしていくのだろう
たまにあの人の恋話に乗ることもあるのかもしれない
今のところ恋話を避けている私たちだが
いつだか忘れてどっちかから話を振るんだろう
あの日の夜は何もなかったように過ぎ去っていくのだろう
私の心にある塊はやがて時間が溶かしてチリとなっていくのだろう
私はあの日のことを忘れない
絶対に
アルコールが入っていたとはいえ
少しの勇気を出した記念日なのだ
いつか、
あの人の恋を本気で応援できる日まで
名称未設定な関係 波野 @namino_2525
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