電子の海と本の山

三角海域

電子の海と本の山

電子の海と本の山


 買いすぎたかなぁ。

 この言葉を友人が聞いたら、またかよと呆れるかもしれない。

 ひどい。

 でも、またなんですねこれが。

 何度同じことを繰り返すのか。理由は明らか。反省をしないからですね。

 

 と、そんな反省しないことに定評がある僕は、本を読むのが好きです。けれど、

それと同じくらい、本屋に出かけて本を眺めるのも好きですし、Amazonなどで本を探していると出てくるこれもおすすめみたいなのをひたすらクリックし続けて日が暮れるみたいなのも好きなんですね。

 そうして心が満ち足りていくのを感じながら本を購入するわけですが、まあ本は買うと増えるんですね。で、結構かさばるんですよ。文庫本だし大丈夫だろうと調子にのっていたら、これは壁かな? というくらい積みあがってしまったり。

 引っ越す前、部屋用の本棚を作ってもらうときに、床が抜けるのではと心配されて、ようやっとなんとかしないとあれかなと思い始めた次第。流石にマンションの床がどうにかなるなんてことはないだろうけども、今までは置き場所がなくそこかしこに箱を置いて本を突っ込んでいたので片づけるようにも面倒だったが、本棚を新しく作ったのだからいい機会なんじゃと思い、整理をすることに。

 売るのはなんだか嫌だったんですね。だから、移せる本は親戚の家に持って行って、共有本という形にし、残りを家に置くということにしました。

 そのおかげで相当片付いてすっきり。

 その後、電子で買えるものはできる限りそちらで買うようにしました。導入自体は何年か前からしていたものの、本格的にあれこれと電子書籍のアプリをいれて、クーポンを使ったりして安く購入したり、○○特集のような形でまとめられたおすすめを見て、新しい本を購入したりするようになりました。

 もちろん紙の本とは読み心地は違いますが、きちんと「本を読んでる感」をどのアプリも大切にしているなと感じますし、マーカーを引いたりして、後々引用のためにそのページを開くみたいなことは電子だととても楽だったりします。

 紙にも電子にもそれぞれいい所があるんだなと、改めて気が付けたのは良い発見。

 

 僕の部屋は、ベッドに寝転がると本棚が見えます。背表紙がずらっと並んでるのを見ながら眠るのはとても幸せです。嫌なことがあった時には背表紙を見つめながらそれぞれの本の内容を思い出して気持ちを昂らせ、なんだか疲れたな。眠ったら明日が来て、また疲れるんだろうなと落ち込むときにも、じっと本を見つめて、僕には物語がある。乗り切ろう、と勇気をくれたりします。

 今日も、電子の海を漂いながら、たくさんの本を購入しました。

 アプリを開くと、本の表紙画像がずらりと並びます。

 ディスプレイを隔ててはいるけれど、そこに並ぶ画像たちは、部屋の本棚に並ぶ本たちと同じく、僕にとって愛おしいものたち。

 これから先も、僕はずっと本を買い続けると思います。買い続けられたらいいな。

 大切な本たち。大切な物語たち。

 これからもずっと、君たちと共に。


 でも、今日は買いすぎだよなぁ。

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