任務
目が覚めた俺は今日も学校があるということに絶望しやや憂鬱な気分に浸っていると妹の声が響いた。
「早くご飯食べないと遅刻しちゃうよ!」
眠い目を擦りながらも一階に行くと驚くべき事に茶碗にこれでもかっ!というほどご飯が盛られていたのだ。
「朝からこんなに食えんわ!」
妹と朝からひと騒動あったものの結局は無理矢理、胃の中にご飯を流し込む事にした。吐きそう・・・。
食事を済ませたあと俺は制服に着替え学校へと向かった。
「杏花め!俺に恨みでもなるのか?」
道中お腹をさすりながら歩いているといきなり背中を叩かれた。
衝撃で吐きそうなるのを我慢しながらそいつの顔を覗き込んだ。案の定、煌だった。
「斗真よ!今朝のニュース見たか?」
「見てないがそれがどうした?」
「昨日の逃走した犯人。捕まったんだって!」
「それは良かったな・・・。」
もちろん昨日の犯人を倒したのは俺だとは言わない。言う必要がないだろうから。
それからも雑談をしながら学校に向かっていくのだった。
そんなこんなで学校につきクラスに入り煌といろんな話をしていると担任から呼び出された。緊急とのことらしい。
「お前たち二人には任務に出てもらう。」
職員室に入ったあと開口一番そんなことを言われた。
その任務の内容というのは先ほどテロがあったらしくテロ行為および殺人事件の犯人の確保と怪我人の救護だそうだ。
そんな重大な任務になぜ俺みたいな無能力者が行かないといけないんだ?
などと心の中で愚痴をこぼしていると隣から声を掛けられた。
「一緒に頑張りましょう!斗真くん!」
隣にいる相方の名前は笹木 奈津(ささき なつ)と言って俺と同じクラスである。
確かにこいつの「傷を癒やし回復させる能力」なら救護には最適だろう。任されたのなら仕方ないと考えて俺は現場に向かった。
現場について見るとまず先に悲惨な光景が目に飛び込んだ。まるで地獄のようだった。
爆破に巻き込まれ見るに耐えない姿になった人や動かなくなった人を抱えて咽び泣く人。
そんな人たちを横目に俺は犯人と思わしき人物を追っていた。奈津は怪我人の救護があるためあの場に残った。
犯人を追うにつれ段々と薄暗い倉庫みたいな場所まで来てしまった。
追い詰めたと思った直後、犯人がナイフを振り回し襲ってきた。
ナイフを振り回す犯人に対し俺は戦闘態勢に入った。
ナイフを使うあたり相手は無能力者なのだろう。
相手はナイフを右手に持ち替えると同時に突きを繰り出してきた。
俺は焦る素振りを見せる事なく相手のナイフを持っている方の手首を叩き落として相手がよろめいた時につかさず首に手刀を叩き込んだ。
男は気絶してその場に倒れ込んだ。
終わったと安堵したのも束の間、後ろから出てきたもう一人の男が俺に向けて銃口を突きつけていた。
撃たれると思い、身構えた瞬間に銃声が鳴り響いた。
数秒ほど時が過ぎ目を開けると弾丸は俺の足元に着弾していた。だがそれよりも衝撃的なことが目の前で起きていた。
なんと銃を持った男は後ろにいる何者かの手によって腹部を貫かれ絶命していたのだ。
「あ~。失敗しちゃったか~!」
後ろにいる男は笑みを浮かべていた。まるで俺を嘲るかのように・・・。
最弱な奴が実は最強? レン @softWET1004
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。最弱な奴が実は最強?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます