1.キャラクリとチュートリアルその1
『広い世界を探索するもよし、プレイヤーの中で頂点を目指すもよし、住人と仲良くなり、この世界の謎に挑むもよし、魔物を手懐けて仲良くするも良し!さぁ、自由な世界を楽しもう!』
そんな謳い文句に惹かれた…訳ではなく。いや、1部は合っているな。これほど凝ったゲームであればきっと壮大なストーリーがあるだろう。
そんな考えでこのVRMMOゲーム…『Another World Online』を始めた。
『キャラクリエイトを始めます。見た目を設定してください』
真っ白の空間で抑揚のない女性の声が聞こえ、現実でのデータをもとにした身体が目の前に生成される。
俺は高校1年生だが、身長が150センチとかなり低く、中性的な顔つきということで周りからは女性と思われることも多い。
前はそれがコンプレックスだったが、今では吹っ切れて、ゲームする時はだいたい女性キャラを使うことにしている。
今回は性別、身長は変えられないが、この低身長と顔つきを利用して見た目を女性キャラっぽくしようか。えっと、髪は…赤くして、腰まで。お、髪に発光度とか色々付けられるのか。どうせなら細かく調整して…ん、これでよし。
顔は特にいじらないでいいかな。
「決定」っと。
『ステータス、スキルを選んでください』
自分で言うのもなんだが、俺は運動神経と反射神経があまり良くない。洞察力と勘はいいけど、それだけだ。だからステータスを極振りしても上手く使いこなせないだろう。
となるとまぁ平均的にステ振りしてっと。
スキルは…うーん、どうしよう。
おや、チュートリアル後にも選び直せるのか。じゃあ今決めるべきじゃないな。
「決定」っと。
『スキルが未設定ですがよろしいですか?チュートリアルを受ける場合、チュートリアル後にスキルの再設定可能です』
もういちど「決定」っと。
『チュートリアルを受けますか?』
ここは「はい」。
目の前にあった自分のキャラがなくなる。
『実際に身体を動かしましょう。』
歩く、走る、ジャンプ。ふむ、違和感ないな。
『この世界では落ちているものはアイテムとして入手可能です』
目の前に落ちてきた石を拾う。
『石×1を入手しました』
ふむ。まぁ自由に採取などもできるよってことか。
『続いてメニューについてです。メニュー、と口に出すか、右上のマークに注目して、ください』
「メニュー」
ポウっと半透明のウインドウが現れる。
もう一度「メニュー」と呟くと、ウインドウが消え、今度は視界の右上にある…丸の中に四角があるマークに注目する。
三秒ほど注目すると、ウインドウが目の前に現れた。
『メニューではフレンド、インベントリ、掲示板、設定、ヘルプ、GMコールがあります。
○フレンドコードを交換した人とやり取りが出来るフレンド。
○入手したアイテムを確認でき、アイテムを取り出すことができるインベントリ。
○プレイヤー同士でやり取りができる掲示板。
○グロテスク描写の軽減や、プライバシー保護の設定などが出来る設定。
○この世界特有の単語や、機能などについて詳細を確認できるヘルプ。
○通報や、不具合、バグの報告などに使うGMコールです。』
ふんふん、なるほど。
設定とか、ヘルプの確認は後でしておこう。
『では、戦闘のチュートリアルに移ります』
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お読みいただきありがとうございます。
本作品にステータス、お金などの細かい表記は出てきません。スキルは出てくるかも。
バグで髪の毛が破壊不能オブジェクトになったんですが。 NoY @Chalo
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