第2話 はぐるまうさぎの朝
はぐるまうさぎには定位置がある。戸田家のあやちゃんのベットの枕元。
はぐるまうさぎには大好きな呼び名がある。毎朝ママさんが呼んでくれる。
「おはよう。あやちゃん、はぐ。」
はぐるまうさぎを“はぐ”と呼ぶのは、戸田家の人だけ。大抵の人は、フルネームか“うさぎさん”と呼ぶものだ。
「いい天気よ。」
ママさんはカーテンを開け、今日も、はぐるまうさぎの頭を一撫でした。
今朝は随分と清々しい秋晴れだ。自然光で部屋が一気に明るくなる。この部屋はあやちゃんの物で溢れている。赤ん坊の頃の玩具からランドセルや制服、本、PCパーツまで、例示すれば枚挙に暇がないほどだ。そして、はぐるまうさぎもまた、数多ある物品の一つとして座っていた。
昼光降り注ぐ中、雑然と置かれ電話線もない、木製でカラフルな電話から、ジリリと着信音が響いた。はぐるまうさぎは、弾けるように近づき受話器を取った。
「こちら、はぐるまうさぎ。あなたの困っていることを教えてください。」
はぐるまうさぎ~あなたのPC直します~ 鎌上礼羽 @sea-squart
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。はぐるまうさぎ~あなたのPC直します~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます