コロナで宇宙

健さん

第1話

今や世の中コロナが変異して、やがてオミクロン株に変わり全国的に、いや、全世界で蔓延して猛威をふるっている。最初にコロナが発症してから、何年かたつが、だれが、こんなに長い期間そしてマスク生活をするなんて予想しただろうか?しかも今度は、”オミクロン株”に変異をして、東京では、一時2ケタの感染者になり、ようやく収束に向かうと期待されたがそれも、風前の灯火になった。今では、すでに4万人の感染者だ。全国的に20万人を超えている。東京では、緊急事態宣言発令されたが、完全に有名無実。水戸黄門の紋所みたいな効果はない。俺は、山田達郎。45歳。独身。旅行会社に勤務している。先日、オミクロン株に感染して自宅療養中である。病院なんて、とっくの昔に、逼迫して病院の機能をしていない。それこそ。ただの風邪もひけやしない。感染者は、増え続けるが、医療従事者は、限度があり同じように、増えることはないし、物理的に、ドラえもんじゃないが、ベットや、病院が、増やすことは、できないものな。テレビでは、専門家の黄身会長が、言っている。「オミクロン株は、やがて、”ステルスオミクロン株”に変異して、また、そのステルスオミクロン株から、今度は、”ストロングオミクロン株”に変異するだろうと、研究の結果わかりました。しかも、今後くりかえし新しい変異株になり、ネズミ算式に増えていくでしょう。ズバリ言うわよ。じゃなかった、ずばり言いますが、最低でも、今後30年は、収束することは、ありません。」「何ちゅうことだ。俺が、75歳まで、コロナと、ウイズか?日本全国、いや、全世界で、もう絶望的だな。もう地球に未来はない。しかも、もう海外旅行なんて、夢のまた夢になってしまったな。旅行業界も衰退して会社、企業も、持ちこたえることは、難しいだろう。そのうち俺もリストラされるだろう。」岸打総理が、緊急会見のもよう。「もう、手は、尽くしました。専門家からも、ご存知の方も多いとおもいますが、今後30年は、収束はないとの見解です。それで、考え抜いた結果、”地球脱出を計画しております。実をいいますと、前の菅田、阿部首相、いや、もっと前から、宇宙へ移住計画として、都市造りを進めていました。今では、”一部の場所”で、生活できるように、インフラとか、整備は、整っております。」(ほんまかいな??)「しかし、物理的に考えても、全人類は、行けません。それで、各地域の会場で、10問のテストを、行いたいと思います。そして、10問中10問正解者に、宇宙に移住していただきます。」「よ~し、10問全問正解して、宇宙のキップを手にするぞ!」と、意気込んで、早速テスト会場へ。会場は、予約制になっていて、1室100名。俺の受験番号は、65番。席に座りテスト用紙が配られた。(なになに?)①南海トラフ地震は、いつ起こるか何年の何月何日と、ハッキリ答えなさい。②富士山噴火は、いつか?できれば、時間も答えなさい。③阪神タイガースは、今年優勝するか?また優勝しなければ何位か?④、、、、。「なんだ、この問題は?わかるわけないだろう!全問正解するやつなんているのか!江原さんなら、正解するだろうが、予言者だって、難しいわ!こんなくだらない問題作成したやつの顔を見てみたいわ。」(この問題作成したのは、岸打総理です。)俺は、このテスト諦めた。その代わりイチかバチか試験官を呼んだ。実は、このテストしたあと、(どうせ宇宙に行くけど)銀行に行って、アパートの家賃10万円支払う予定でいたが、その試験官に、この10万円を”袖の下”通した。すると、その試験官前歯の抜けた歯をみせて、ニヤリと、笑った。そして、1週間して、合格の通知。”賄賂”が効いたな。そして、ついに移住の日。100万円しか持ってきてないが、(っていうか、これが俺の全財産)これから、宇宙で生活できるか不安だ。そして、不安ながら、俺は、宇宙に旅立った。これで、コロナ生活と、おさらばだ。しかし、そうは、問屋が卸さないのである。前門の虎後門の狼なのだ。なぜならば、潜在的に感染菌を、持ってる人が、一緒に宇宙に行けば、人から、人へと感染して、再度、地球上と同じように再度猛威をふるうことは、まちがいないのである。コロナ生活から脱出することはできないのだ。人間の業(カルマ)と同じで、撒いた種を刈り取ったと、思ったら、また、撒いた種から、”芽”が出てくるのと同じように。(完)

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