第2話

……何だここは。

周りは真っ暗、またあいつが出てくるのか?

「あ、いたいたー」

タッタッタッと足音が聞こえる。

やっぱり来たか、徐々に足音が大きく聞こえてくる。

そして姿が見えた。

視界に入ってきたのは自称女神だった。

「ごめーん言わないといけないことがあるだった」

言わないといけない事?

もしかして能力か?

「1年以内にさっきの世界を救わないと能力はなくなるから」

自称女神は去ろうとする。

「ちょっと待て、能力は分かってないの?」

自称女神は思い出したような顔をした。

おいおいしっかりしてくれ。

「貴方の能力は2つあってひとつは天変地異を起こす能力よ」

「天変地異?」

「簡単に言えば自然の異変、災害の事、じゃあまた会いましょ」

「まだ聞きたいことがあるんだけど」

そんな俺の声も聞かず、自称女神は消えた。

クソ野郎が。

「起きてください」

そんな男の声で目が覚める。

「ん?」

「結果出ましたよ、早く来てください」

そう言われ意味もわからずその男の後ろについて行く。

着いた先にあったのは1つの部屋だった。

診察室と書かれてある。

男がドアをガチャと開け、

俺に「どうぞ」と言ってきた。

その言葉に従い部屋にはいる。

「そちらに腰をお掛け下さい」

そう言われその方向を見る。

そこには母さんが、座っており自分の隣を指していた。

俺はそこに座る。

目の前に偉そうにして座っている男がこっちに体を向けた。

その男の胸元には医院長、高橋、と書かれていた。

この男医院長だったのか、そう考えていると、

男は深刻そうに話し始めた。

「今日来てもらった理由は定期通院もあるがもうひとつ理由がある」

「もうひとつ?」

つい聞き返してしまった。

「私の夢だ、」

「夢?」

「君の事が夢に出てきてね、ついすぐ来てもらったんだ」

あいつ、案外有能だな。

「で、検査結果を言わせてもらうと、」

俺は唾を飲み飲む。

「何も異常が見当たらなかったです」

よっしゃあーつい喜んでしまった。

母さんは驚いたような顔をして、

「どうゆう事ですか!」

あっそっかまだ信じてねぇんだ。

男は何とも言えない表情をしながら

「私も分かりません、奇跡と言うしか……」

と言ってくる。

神の力なんだけどなぁ、そんな事を心の中で思いながらも、母さんに俺は「帰ろう」

と言った。

びっくりしているせいか母さんは「え、あ、うん、行こうか」

と混乱していた。

家に帰ってきた。

母さんは色々な所に電話をしていた。

そりゃあそうだろう。

1つの命がどん底から復活したのだから。

俺は今リビングで母さんに渡された複数の紙を見ていた。

塾、空手、水泳、英会話、

習い事をさせようと思っているらしい。

その中に1つ気になるものがあった。

俺はその紙を母さんの所に持っていきここがいいと言う。

「いいんじゃない」

そう返してきた。

その後、母さんは電話を再開した。

俺はまた寝ようと部屋に移動しようとすると、

母さんは「今から学校行きなさい」

と言ってきた。

「は?」

思わず驚愕する。

母さんは電話が終わったのかスマホを机に置くと「だってまだ時間があるじゃない」

そう言い母さんは部屋の時計を指す。

時刻は11:00を表している。

「バックと筆箱持って外来なさい」

そう言い母さんは玄関の方に足を進めた。

俺はリビングにあるバックを持ち筆箱が入っている事を確認すると玄関の方に向かう。

そこにはさっき履き捨てた靴があった。

俺はそれを足で整えると履き、ドアを開けた。

さっきはあまり気にしていなかったが良い天気だ。

雲ひとつない。

久しぶりに見た空を眺めているともう既に何mが離れている母さんに「早く来なさい」と言われた。

俺は「はーい」と返事を返すと、歩き始めた。

歩いて数分経つと学校が見えた。

ここに来たのは1年ぶりぐらいだろうか、

見た目は何も変わっていない、

この学校に通えるという事を思うと涙が出そうになる。

どうして?さっきまでは出なかったのに、

閉まっている門を開けようと手を掛ける。

……開かない。

母さんは近くの老人警備員らしき人に視線を合わせるとその人は近付いて来た。

「こんにちは」

そう落ち着いた声で俺たちに声を掛けると鍵を取り出し門を開けた。

「どうぞ」

そう言われ「ありがとうございます」

と返し母さんと俺は中に入っていった。

門を入ってすぐ、左を見ると色々な花が咲いていた。

チューリップ、ヘチマ、ピーマン

そしてその3つの真ん中に四つ葉のクローバーが咲いていた。

俺はそれをじっと、見つめる。

「早くしなさい!」

そう言われ足をまた進めた。

校舎だ。

入るのは初めてだから緊張する。

ドアを開け中に入る。

中は1年、2年、3年、と分かれており

俺は2年、と書かれている場所に足を進める。

下駄箱が続いており、1組、2組、と

俺は靴を脱ぐと1組の場所に入れた。

持ってきた上履きに履き替えると足を進める。

前に広がるのは廊下、右は階段、真ん中は図書室、左は1年の教室、あれ?

そう言えばさっきから母さんの姿が見えない、

「待ってよ」

そんな声につい後ろを振り向く、

母さんだ。

俺は母さんを置き去りにして階段の方に進むのだった。

階段を1段、また1段、上がっていくとガクガクと震えていく、緊張が増しているのだ。

1階分上り終わった時、震えが最大限に増す。

歩く事に全身が震える。

遂にクラスの前まで来た。

深呼吸で息を落ち着かせる。

そのタイミングで丁度母がやって来た。

母さんが教室のドアを開け入ってくと俺はその後ろをついて行った。

教室に入ると皆がこっちを見てきた。

先生が「おーやっときたかこんにちは」

と言うと俺と母さんは「こんにちは」と返した。

先生は皆に自習だと言うことを伝えると母さんと何処かに行ってしまった。

俺は1人残され混乱する。

自分の机も分からない、ただたってるだけだった。

一瞬頭の中が真っ白になった。

そんな時クラスの男子が話しかけて来た。

「席分かる?」

「わかんない」

「君の席はあそこだよ」

そう言われその席に向かう。

席に着いた、が周りが全員女子だった。

地獄だなぁ、そんな事を思いながら机の中を見る。

納豆!?

ベッチャべチャになったプリントと納豆が入っていた。

これからの人生地獄になりそうだ。

皆が自習をしている間俺は本を読んでいた。

教科書などまだ貰ってない。

少したち授業が終わった。

3時間目が終わると皆帰り出す。

今日は短縮授業らしい。

俺も皆に合わせて帰る。

下駄箱の所には母さんがいた。

「今日学校どうだった?」

「楽しかったよ」

「それは良かった」

靴を履くと家の方向に足を進めて行った。

家に着くと急な眠気が襲ってきた。

自分の部屋に行き、ベットに潜る。

いい夢見れたらいいな









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神に世界を救えと言われ力を貰ったが俺はそれを恋愛に使う事にした。 @k--g

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