第12話 そう言われると照れますね
スーパーは家と新帖駅の中間地点にある。
そのため、会社帰りには晩ご飯を書きによく行っていた。今日みたいに料理のために食料品を買うなんていつ以来だろう。
スーパーは東日本を中心に展開されていて、よくテレビとかでも紹介されている。大手スーパーの1つになる。
スーパーに入って、かごとカートを用意して店内を歩き出す。斜め後ろには夢花さんがついてきていた。
「そういえば夢花さんって料理毎日してるの?」
「はいっ!
爺やってあの執事みたいな人か。どんな料理が用意されているのかな。お嬢様ぽいし、きっとテレビとかで見るような高級料理なんだろうな。
「夏輝さんも料理できるのですか?」
「まぁ少しね。働いてる時はそんなに作れなかったし」
「働いている時ですか?夏輝さんは高校生ではないんですか?」
やべ。普通に働いているとか言ってしまった。高校生って設定なのに。
誤魔化さないと。怪しまれてしまう。
「いや!今のは……そう!学生の仕事は勉強だから、勉強することを働くって表現して……おかしくないよ」
「うふふふふ。夏輝さん面白いですね」
「そうかなー。あははは」
これから発言には気をつけないといけないな。
これから色々と話しながら買い物をした。
夢花さんのおかげで新鮮な野菜とかお肉を買えた。今までは特に考えて買ったりしたことがなかったから勉強になった。
「わざわざありがとね」
「いいえ。
「それでも夢花さんのおかげで新鮮な野菜とか買えたよ」
「そう言われると照れますね」
そう言った夢花さんは笑っていた。
昨日は泣いている印象が強かった。なんか新鮮だった。笑うとこんなにもかわいいのか。
「そういえば、聞きたいことがあったんだけど」
「はい、なんですか?」
「夢花さんってお嬢様?」
「……夏輝さんは北山グループって知っていますか?」
「あぁ、海外進出とかしてるところだろ」
「それお父様の会社なんです」
「えっ?」
「北山グループ会長の一人娘が
「え、ええええええ!?」
衝撃の事実。
いや、確かに納得することもある。あんなタワーマンションに住んでいるのも。爺やと呼ばれている執事のような人がいるのも。
北山グループの会長の一人娘だからだと納得できる。
てか、マジでお嬢様だったのか。
「なんか凄いね」
「いいえ、凄いのはお父様ですよ。
そう言った夢花さんの顔は暗かった。
「お嬢様」
「あっ、爺や迎えに来てくれたんですか?」
「はい」
昨日のように突然現れた。
神出鬼没とは正にこのことだろう。どこかで監視でもしてるのかな……してそう。なんかお嬢様のためなら何でもしそうだし。
「今日もこのお方といらっしゃったんですね」
「はいっ!とても楽しかったです」
「そうですか……お嬢様のことありがとうございます」
「あ、いえ。俺も助けてもらったので」
昨日とは異なり夢花さんを見る時と同じ目をしていた。
警戒は解けたのかな。
「お嬢様、お楽しみところ申し訳ありませんが、そろそろお稽古のお時間になります」
「もうそんな時間ですか!?楽しいと時間はあっという間ですね。夏輝さん今日のところはお別れです」
「あ、うん。俺もぼちぼち帰るよ」
「はいっ。ではまた明日お逢いましょう」
「それでは私めも失礼いたします。今日はお嬢様と過ごしてくださりありがとうございます」
そう言って、夢花さんと爺やがいなくなった。
俺も帰るか……ん?明日?
何で夢花さんは明日逢うなんて言ったんだろう。俺と逢う保証なんてないのに。謎だった。
アラサーの俺が死神の手によって高校生に戻った!?死ぬ運命を変えるために青春するしかないらしい 長月紅葉 @kasa1226
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