【第2話】電車内で(彼女は天然です)

「ていうかさっき俺が取り逃した駅表、どうやったら貰えるんだ?いくら払えば良い?」

「いや、お金はいりませんよ。ちょっとまってくださいね…」

あれ?意外とあっさり貰えるかんじ?

「ゴソゴソ」

少女は一眼フレからSDカードを抜き取ろうとした

「待て待て待て!カメラの電源を切れからやれよ!」

「え?なんかダメなことしました?」

「そんなことしたら、データ吹っ飛ぶかもしれないぞ。」

危ないな、この子。

「はい、どうぞ」

彼女はSDカードを取り出し、私に渡した。

「あ〜、ごめん俺今PCないんだわw」

「まじか…じゃあどうする?」

少女と俺は少しの間考えた。

先に口にしたのは少女のほうだった。

「あ、LINE交換しない?」

いや、まだ全然初対面なんだが。

「え、そっちがOKならそれでお願いしたいけど…まだ初対面だぞ」

「あ〜。確かにまだあなた怪しいですもんね。もしかしたら詐欺師かもしれないし…うーん。」

それはない。こいつ、天然なのか?

「まぁいいですよ。変なの送ってきたらブロックしますからね」

「じゃあそれで。」

そうして俺らはLINEを交換した。

「そういえば、新函館北斗駅まであとどのくらいかかる?」

「え?北海道の人じゃないの?」

「いや、私はあなたと同じ盛岡に住んでますよ。」

偶然すぎる。てか俺が「盛岡から来た」って言った時点で「私も同じ」とか、驚いたりするだろ。普通。

「ということは、あなたの後をついていけば盛岡に帰れるということですね。あ、私電車の乗り換えとか弱いんですよ〜。時刻表読めないですし。」

さすがに時刻表読めないのはやばい。

「俺も乗り換え弱いぞ。もしかしたら盛岡帰れないかもよ?」

「御冗談を〜」

やっぱこいつ、天然だ。

「名前、なんて言うの?俺は“織田信長”。」

「私は金谷凛。あ、そういえばあなたの名前に似ている人、歴史の教科書に乗っていたような…なんだっっけ?」

天然、というよりかはアホに近い。

「じゃあ俺、ちょっと寝るね。疲れが…」

「じゃあ駅ついたら起こしてあげますね。」

*******

盛岡駅に到着し、少女に別れを言うと、俺はバス乗り場に向かった。

あ、明日卒業式だったな。帰ったら寝よ。

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北海道一周したら高校で彼女ができたけどお互い不器用すぎて笑う【とりあえず日本一周しようかな】 @Kinanoyama

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